(つづき) https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/16512661 Lancet Neurol. 2018を訳しております https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30129477 Sporadic inclusion-body myositis 孤発性封入体筋炎 その他の炎症性筋症と同様、SIBMの患者は筋力低…

Classification and management of adultinflammatory myopathies. Selva-O'Callaghan A, et al. Lancet Neurol. 2018 Sep;17(9):816-828. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30129477 Classification Dermatomyositis皮膚筋炎 皮膚筋炎は典型的には週単…

<Scenario case> 75歳女性、筋痛と筋力低下。 既往に心房細動がある。 皮疹はなし。 大腿MRIで筋炎を認め、筋生検にて筋炎が証明されている。 抗ミトコンドリア抗体陽性を認め、抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎疑いと記載されている。うん！？ （症例は架空です） ＜ 疑問、発</scenario>…

抗MDA5抗体に関する、ざっくりメタ解析をしてみました。論文によって様々な頻度で報告されている、以下のCQに対するリウマトロジストなりの回答です。 CQ１．抗MDA5抗体が陽性であれば、どの程度がILDを呈するのか CQ2．抗MDA5抗体が陽性であれば、どの程度…

PM/DMの間質性肺炎において、抗MDA5と抗ARSの測定が板に付いてきた今日この頃です。さて、リウマトロジストは長らく、抗MDA5の測定を限られた大学にお願いしておりました。最初にお願いしたのは10年前にもなるでしょうか。開発者に直接測定をお願いして、快…

（つづき） 70歳女性のPM、尿蛋白++、蓄尿のUPCR1.2g、糸球体由来の尿RBC20/hpfを認めました。PM/DMの糸球体腎炎の可能性について検討中です。 https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/15319144 The spectrum of renal involvement inpatients with …

＜Clinical scenario＞ 70歳女性、筋力低下、CK3000を認めたため、紹介された。皮疹なし。Crは正常。 検尿にて尿蛋白++、蓄尿のUPCR1.2g/gCr、糸球体由来の尿RBC20/hpfを認めた。 Lupus serologyはすべて陰性。PM/DMの糸球体腎炎？？（架空の症例です） ＜ …

Cancer risks of dermatomyositis andpolymyositis: a nationwide cohort study in Taiwan. Chen YJ, et al. Arthritis Res Ther. 2010;12(2):R70. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20398365 Introduction: 炎症性筋疾患(IIM)と悪性腫瘍との関連は報告…

＜Clinical scenario＞ 75歳女性、筋力低下・筋痛 CK3000台、間質性肺炎を認め、多発性筋炎の疑いで入院。DMの皮疹なし。 ANA<40倍であったが、Cytoplasmic（細胞質型）※で80倍。抗ARS抗体を測定したところ陰性であったため、抗SRP抗体（保険適応外）を追加…

Clinical and histopathological features ofmyopathies in Japanese patients with anti-SRP autoantibodies Mod Rheumatol. 2009;19(2):156-64. Takada T, et al. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19089533 日本人の抗SRP抗体陽性の患者における筋症の…

＜Scenario case＞ 50歳女性、心膜炎 関節炎、間質性肺炎、機械工の手を認め、抗ARS抗体が陽性と判明した。 間質性肺炎はNSIPパターンとの読影結果。 心膜炎による胸痛に対しステロイド治療を開始した。 某大学に依頼し、治療前の血清で抗ARS抗体の測定を依…

＜Clinical Scenario＞ 70歳男性、DM患者 発症時のmalignancyのスクリーニングは陰性でした。 PSL1mg/kg＋AZPで寛解し、1年後に薬を中止しましたが、1ヶ月くらいで、皮膚＋筋力低下で再発をしました。 再度スクリーニングでX線をとってみると、肺陰影を認め…

DMの皮疹とはなんでしょうか。 Bohan&Peterの診断基準において、DMとはGottron丘疹・サイン、ヘリオトロープ疹＝Typical rashを呈するものと定義されております。 しかし、しっかりとした皮疹を呈するのに、Gottron丘疹・サイン、Helitotrope疹を呈さない筋…

（↓のつづき） Mayo clinicの特発性炎症性筋症の治療について勉強しております。 https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/14346274 ※出典はこちら（Free downloadできます） Idiopathic inflammatory myopathies: currenttrends in pathogenesis, cl…

Mayo clinicのリウマチ科＋小児リウマチ科より特発性炎症性筋症のレビューが出ております。 Recommendationとありますが、コンセンサスが得られたものではなさそうです。 ですが、一流の施設の治療方針を勉強するにはよい機会です！ Idiopathic inflammatory…

＜Clinical Scenario＞ 皮膚筋炎疑いの60代男性が入院した。 筋力低下は三角筋、腸腰筋が3/3、首の屈曲が3。 CK 6000台。筋電図；筋原性。筋生検；pending 間質性肺炎なし。悪性腫瘍の検索にてそれらしい所見はなし。 入院時に提出した抗ARS抗体、抗Jo-1抗体…

＜Uptodateにて＞ cadmを検索し、Clinical manifestations of dermatomyositis and polymyositis in adultsを読みます。 Amyopathic dermatomyositis（筋疾患のない皮膚筋炎） － “Clinically amyopathic dermatomyositis”(CADM) （臨床的に筋疾患がない皮膚…

＜Clinical scenario＞ 70歳男性 2-3ヶ月前からの筋力低下のため、前医を受診。日光露出部に紅斑を認めた。 既往歴に特記すべきことなし。スタチン含め内服なし。 CK 2500と高値を認め、皮膚筋炎・多発性筋炎が疑われ、紹介された。 MMTは、頸の屈曲2、長腰…

抗ｱﾐﾉｱｼﾙtRNA合成酵素抗体症候群（抗ARS抗体症候群）は筋炎、間質性肺炎、関節炎、レイノー現象、発熱、機械工の手などの、特定の臨床所見を有する症候群です。 http://ci.nii.ac.jp/naid/10021242040 同じ皮膚筋炎の診断でも、MDA-5抗体が陽性の場合とARS陽…

抗MDA5抗体陽性の間質性肺炎の予後不良因子について日本からの報告をまとめました。 ２つの報告は同じAuthorによるものです。 一報目は、抗MDA5抗体14例、抗ARS抗体10例の比較、二報目は抗MDA5抗体のｎを27例に増やして予後不良因子を解析しています。 Clini…

Clinical Manifestations of Dermatomyositis and Clinically Amyopathic Dermatomyositis Patients With Positive Expression of Anti–Melanoma Differentiation–Associated Gene 5 Antibody Arthritis Care Res (Hoboken) 2012; 64: 1602-10 http://www.nc…

抗ｱﾐﾉｱｼﾙtRNA合成酵素抗体症候群（抗ARS抗体症候群）は関節症をきたすことが知られています。 ですが、その詳細はCase reportsやseriesを根拠としておりました。 この度、この問題に焦点をあてた研究が報告されました。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/…

2014年、抗ARS抗体が保険収載されましたが、この検査には抗Jo-1抗体、抗PL-7抗体、抗PL-12抗体、抗EJ抗体、抗KS抗体のいずれが陽性だったのかは分からないという欠点があります。 http://www.mbl.co.jp/ir/press/2014/0116.html 金沢大学からの大規模な報告…

抗ｱﾐﾉｱｼﾙtRNA合成酵素抗体（抗ARS抗体）陽性の間質性肺疾患の予後について２つの報告をまとめます。 いずれも、診療に役立つ内容です。 １．鹿児島大学の14例 Clinical and pathological findings of interstitial lung disease patients with anti-aminoacy…

抗ARS抗体（抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体）が保険収載され、当院でも2014年4月より測定できるようになりました。 http://www.mbl.co.jp/ir/press/2014/0116.html 抗Jo-1抗体、抗PL-7抗体、抗PL-12抗体、抗EJ抗体、抗KS抗体をまとめて、測定しいずれかが陽…

CADMの間質性肺炎（IP）の治療について触れておきます。Uptodateには記載がないですからね。 まずは定義をちゃんとしておきましょう。 CADMの定義は皮膚科医からのもので、典型的な皮膚症状が出現しても半年以上筋症状を認めないもの（あるいは検査異常のみ…

Clinically amyopathic dermatomyositis (CADM)とは、皮膚筋炎のなかでも筋炎がないか、わずかなものを言います。 アジア人に見られるCADMは急速進行性間質性肺炎を合併することが知られており、ステロイド治療にもかかわらず、数カ月以内に予後不良の転帰を…