リウマチ膠原病のQ&A

日常診療で出会ったギモンに取り組んでいきます!

PM/DMの悪性腫瘍のリスク

Cancer risks of dermatomyositis andpolymyositis: a nationwide cohort study in Taiwan.

Chen YJ, et al.
Arthritis Res Ther. 2010;12(2):R70.
 
Introduction:
炎症性筋疾患(IIM)と悪性腫瘍との関連は報告されているが、アジアの国では稀。私達の目的は台湾において悪性腫瘍の既往のないIIM患者における癌のリスクを調査すること。

Methods:
台湾の1997年から2007年の間の健康保険データベースを用いて、悪性腫瘍の既往のないDM1012PM643からなる全国のコホート研究を行った。癌の標準化発生率 (SIRs)を解析した。

Results:
DM95 (9.4%)PM33 (4.4%)癌が検出された。全体の癌のリスクはいずれも有意に上昇しており、DMで全体の癌のリスクはSIR = 5.11 (95% CI 5.01 - 5.22)PMSIR = 2.15 (95% CI = 2.08 - 2.22)。ほとんどの癌が最初の1年で見つかった。癌のリスクは観察期間とともに減少したが、一般人口と比較すると、5年後でも高いままであった。DMは全ての年齢層において癌のリスクは持続して上昇していたが、PMでは若い年代で高く、年齢と共に減少した。DM患者は鼻咽頭、肺、血液型の悪性腫瘍のリスクがもっとも高かった。

Conclusions:
IIMの患者は癌のリスクが上昇しており、診断後年齢・性別に応じた悪性腫瘍の評価を受けるべきだ。鼻咽頭、肺、血液系の悪性腫瘍の評価とともに。フォロー中の癌の発生に注意しながら。
 
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