<Scenario case>
50歳女性、心膜炎
心膜炎による胸痛に対しステロイド治療を開始した。
某大学に依頼し、治療前の血清で抗ARS抗体の測定を依頼したところ、抗PL-7抗体陽性という返事が返ってきた。
(症例は架空です)
< 疑問、発生!>
抗PL-7抗体の患者における心膜炎の頻度は?
以下を検索し、ひとつの文献がヒットしました。ラッキー!しかも、Freeです。
(pl-7[title]) AND (pericardial or pericarditis)
Anti-PL-7 (anti-threonyl-tRNA synthetase)antisynthetase syndrome: clinical manifestations in a series of patients from aEuropean multicenter study (EUMYONET) and review of the literature.
Labirua-Iturburu A, et al. Medicine(Baltimore) 2012;91(4):206-11
Abstract
・私たちは抗PL7抗体のヨーロッパの患者のコホートの臨床的特徴とラボデータを調査する。
・18例(女性15例)が抗PL-7抗体陽性。中央値は5.25年(IQR 2.8-10.7年)で、4例が死亡した。
・有意差はなかったが。抗Ro60と抗Ro52抗体が検査を施行された14例中8例にみられた。
・抗合成酵素症候群のその他の研究でみられたように筋炎、間質性肺炎は抗PL-7抗合成酵素症候群の主な臨床所見であった。加えて私たちは抗PL-7抗体に関連する可能性のある臨床所見として、心膜炎を追加することができる。
Table 1. ヨーロッパの抗ARS(抗PL7)抗体症候群18例の臨床的、血清学的所見
Table 3. 過去・本稿における抗ARS(抗PL7)抗体症候群の主な臨床的特徴
<疑問に対する答え>