Clinically amyopathic dermatomyositis (CADM)とは、皮膚筋炎のなかでも筋炎がないか、わずかなものを言います。
アジア人に見られるCADMは急速進行性間質性肺炎を合併することが知られており、ステロイド治療にもかかわらず、数カ月以内に予後不良の転帰をとることがあります。そのため、日本の専門医の多くが、CADMの間質性肺炎に対し、初期よりステロイド剤に免疫抑制剤を併用して治療を始めます。
2005年、Clinically amyopathic dermatomyositis (CADM)に特異的な自己抗体として、抗CADM-140抗体が発見されました。とくに、この抗体を有するケースの50%が急速進行性間質性肺炎を合併することが注目されました。
以前から思っていた、「ランダムな陰影は危険」という印象を支持してくれる内容でした。
稀なケースでも集めて解析するという態度は素晴らしいですね。
ポイントをまとめました。
方法
抗CADM-140抗体(+)12例
抗CADM-140抗体(-)13例
臨床情報をブラインドされた3名の独立した評価者が評価し、意見の不一致は話し合いで解決した。
以下の4パターンに分けた。
・下肺優位の浸潤影・GGAパターン
・下肺優位の網状影パターン
・ランダムGGAパターン
・その他
※GGA・・・すりガラス状陰影
結果 (抗体の有無で有意差のあるポイント)
(1)パターン (P = 0.002)
抗体(+)
・下肺優位の浸潤影・GGAパターン (50.0%)
・ランダムGGAパターン (33.3%)
抗体(-)
・下肺優位の網状影パターン (69.2%)
(2)分布 (P=0.04)
抗体(+)
・下肺野 (6/12, 50%)
・ランダム (4/12, 33.3%)
抗体(-)
・下肺野 (12/13, 93.2%)
(3)アウトカムとの関連 (P < 0.01)
Death
抗体(+) 7/12
抗体(-) 0/13
※死亡した7例(いずれも抗体陽性)のCTパターンは
下肺優位の浸潤影・GGAパターン 4例
ランダム 2例
その他 1例
ps;皮膚筋炎・多発性筋炎の自己抗体については以下がよくまとまっています。