<Clinical scenario>
70歳女性、筋力低下、CK3000を認めたため、紹介された。皮疹なし。Crは正常。
Lupus serologyはすべて陰性。PM/DMの糸球体腎炎??(架空の症例です)
< 疑問、発生!>
PM/DMの腎炎について調べてみよう。
以下を検索し、140件。Human+Englishで絞り込んで98件。
((((kidney[title]) ORglomerulonephritis[title]) OR renal[title])) AND "Myositis"[Mesh]
The spectrum of renal involvement inpatients with inflammatory myopathies.
Couvrat-Desvergnes G, et al.
Medicine (Baltimore). 2014 Jan;93(1):33-41.
PATIENTS AND METHODS
フランスの3つの紹介センターのコンピュータ化したでーたベースを用いて、DM、PM、AS患者を同定した (Nantes のCHU de Nantesの内科, the Ho ˆpital de la Pitie ´ Salpe ˆtrie `reにおける第1,第2内科)。DM、PM、ASの診断はENMC classificationに基づいた。筋生検がPM/DMとは異なるタイプを示唆する所見を呈したケース、自己免疫性全身性疾患(SLE、SSc、サルコイドーシス)が良く認識されている患者を除外した。血清Cr、蛋白尿を含む臨床・検査データのフォローを主に外来クリニックか入院中に行った。患者の臨床状況に応じた頻度で。
Clinical and Laboratory Features
私達は登録された患者の医療記録を後ろ向きにレビューし、関連するデータを集めた。筋力低下をtesting score (NFIP score: 0-5)を用いて評価した。筋障害は血液のCK (IU/L)を用いて評価した。筋外症状の評価は主に疑わしい臨床所見があれば行った。肺病変は胸部CT and/or DLCO低下に関連した息切れ、咳などの臨床所見の存在に基づいて診断した。新病変は不整脈、電動障害の心電図所見、浸潤性の心筋症を示唆する心エコー所見に基づいて定義した。一方、神経障害は筋電図における感覚・運動障害の所見(脱髄または軸作性のポリニューロパチー)で定義した。自己抗体は間接蛍光法で検出され、ELISAかDot-Blotを用いて定量された。疾患の寛解は筋力低下の改善、およびCKの>50%の改善で定義した。再発は筋症状の悪化and/orCK上昇で定義し、治療レジメンの修正を要するものとした。初期治療への抵抗性は臨床または検査所見の持続のため二次治療を要するものとした。AKIはSCr値の腎前性AKIは急性の二倍化で定義した。少なくとも500mlの生理食塩水でSCrが正常化することで定義され、解析から除外された。the MDRD formulaを用いたeGFRが3ヶ月離れて2回以上<60mL/minをCKDと定義した。私達はフランスの腎臓センター10施設に送った問い合わせを通して、筋炎患者に行われた腎生検を同定した。腎生検は盲検化された腎組織の専門医 (A. Moreau)によってレビューされた。私達はPubMedを用いてDM, PM, AS患者における腎生検を行ったケースの報告例を検索した。検索ワードは‘‘IM, DM,PM, AS, nephritis, renal involvement’’。統計学的解析と倫理審査データについては、連続変数は平均T標準偏差を用いて、カテゴリー変数は数値と%を用いて表した。連続変数はT検定を用いて、カテゴリー変数はχ2検定を用いて比較を行った。患者数に応じてMann-Whitney or Fisherexact testを用いた。
CKD(略)
すべての解析はR softwareを用いて行った。この後ろ向き研究のためにIRBVの承認は必要なかった。
RESULTS
DM, PM, ASの診断がついた199例を同定し、不完全なデータを有する49例を解析より除外した。残り150例はDM 96例(64%), PM 26例(17%), AS 28例(19%)であった。患者の特徴をTable 1に示す。全体のコホートの平均フォロー期間は4.1±4.5年。コホートは主に女性を含み(76%)、ほとんどの患者が比較的重症の筋炎゚を有した。それは筋力低下スコア(平均, 3.47)、および50%の患者 (74/149)が3回以上の連続した免疫抑制療法が必要であったことに示されている。期待されていたように、もっとも頻度の高い臓器病変は肺 (36%)であった。腎障害の範中の腎病変はすべてのコホートの35例 (23.3%)で発生し、内訳はDM 21例 (22%)、PM 6例 (23%)、AS 8例 (29%)であった。腎障害はAKIが16例 (10.7%)、CKDが31例 (20.7%)。尿蛋白>0.3 g/dは検査された86例中26例(30%)。
TABLE 1. IM150例の臨床・検査所見
AKI in Patients With IM
IM患者のAKIはIM診断後の6ヶ月以内に50%の患者で、1年以内に60%の患者で発生した。薬剤の毒性に関連したAKIは6例であり、免疫グロブリン4例、タクロリムス1例、肺腺癌治療のために用いられたシスプラチン1例。3例において、AKIはミオグロビン尿に関連した急性の尿細管壊死であり、そのうち1例は筋炎による心筋症による重症心不全に起きた。1例はステロイド開始2週間後に、TMA (Plt, 40 G/L; Hb, 5.9 g/dL, ハプトグロビン検出不可, 末血スメアで破砕赤血球3%)と透析を要するAKIを発症した。1例はDMの診断2年後にAKI (SCr:440Kmol/L), 軽度の蛋白尿(1g/d), および顕微鏡的血尿を発症した。腎生検は動脈壁の浮腫性変化と重症の糸球体虚血からなる急性の血管病変を示した。3例目は10年前に診断されていた膜性腎症にAKI (SCr:150 Kmol/L, 顕微鏡的血尿, 蛋白尿, 7.5 g/d)が合併した。AKIはASの再発時に同期して発症した。腎生検は>50%の糸球体に半月体形成性腎炎を合併した膜性腎症を呈した。4例においてAKIの原因は不明であった。記述的解析では男性、新血管の危険因子、重症の筋障害、心病変、初期の蛋白尿 (>0.3 g/d)がAKIに関連した (Table 2)。反対に入手できるデータを解析したところ、IMのタイプ、重症度、治療、CK値はAKIの発生に関連しなかった。生存の解析は比較的少数であったため行わなかった。AKIの患者の中で13例 (81%)がCKDに伸展し、このうち2例 (12.5%)はESRD に至った。3例 (19%)が回復し、正常腎機能を保った。
TABLE 2
AKIを伴う、または伴わないIM 150例の臨床・検査所見
その②へ