(このページはループス腎炎の治療に関する項目の目次です)
SLE患者において腎炎は予後不良因子です。
とくに、Diffuse proliferative LN(4型)は、採取された糸球体の半数以上に増殖性変化を認めるというものであり、末期腎不全のリスクになります。そのため、ステロイド剤に免疫抑制剤を併用して治療することが一般的です。
そのほかにも、Focal proliferative LN(3型)で増殖性変化を半分近くに認めるケースやMembraneous LN(5型)でネフローゼを呈するケースも4型と同様しっかりとした治療を要します。
さて、ループス腎炎の治療について学ぶ際、押さえておきたい3つのRCTがあります。
1.ステロイド単独 vs シクロフォスファミド(CY)パルス併用を比較したRCT
(維持療法AZP vs MMF)
の3つです。
結果から言えば
1.ステロイド単独 < CY併用
2.維持はCY < MMF or AZP
でした。
これらのRCTの結果をえて、現在の標準治療が築きあげられたわけです。
リウマトロジストの認識では、標準治療とは人種によって異なります。
ちなみに、黒人で腎予後が悪いのは社会経済的な要素によるところが大きいと信じられています。日本人のループス腎炎を診るときにも参考になるかもしれません。
(ref; ALMS-1のDiscussion)
このブログでは、ひとつずつ紹介しています。
1.CYパルスのNIHプロトコールの試験です。
(短期の報告;約5年後)
(長期の報告;約10年後)
2.CYパルスで寛解導入後に維持療法を比較した試験です。
3.先に述べましたAspreva lupus management studyのこと。
ALMS-1 寛解導入療法
ALMS-2 維持療法
※補足
・Euro-lupus(ELNT);ヨーロッパでは低用量のIVCYがNIHプロトコールと同等でした。
・ALMS治療の詳細
・ALMSの対象
・ループス腎炎の治療反応性を予測する因子
ps
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