Hong Kong (Dr. Mok) で重大なRCTが行われました。
Tacrolimus versus mycophenolate mofetil forinduction therapy of lupus nephritis: a randomised controlled trial andlong-term follow-up.
Ann Rheum Dis. 2016 Jan;75(1):30-6.
Mok CC, et al.
ABSTRACT
Objective
Study design
Open RCT。
Methods
生検で確認された活動性LNの患者 (class III/IV/V)がプレドニゾン(0.6 mg/kg/dayfor 6 weeks and tapered)の併用薬として、6ヶ月間のTAC (0.06–0.1 mg/kg/day)とMMF (2–3 g/day)が比較された。良い反応を示した患者はアザチオプリンにシフトされた。The primary outcomeは6ヶ月の時点での腎のCR率、the secondary outcomesはPR, 経時的な腎の再燃、腎機能低下。
Results
Conclusions
TACは活動性ループス腎炎の寛解導入においてプレドニゾロンとの併用する時にMMFに劣っていない。AZPの維持療法5年間において、TACレジメンにおいて有意ではないが腎再発と腎機能悪化の頻度が高い傾向が見られた。
(本文)
PATIENTS AND METHODS
Inclusion criteriaは
(1) 年齢≧18歳
(2) ACR基準≧4項目
(3)登録から4週間以内の生検で証明されたループス腎炎(ISN/RPS class III/IV/V)。
(4)血清Cr(SCr) <200mmol/L (※Cr 2.26 mg/dL)
Exclusion criteriaは
(1) 参加の拒否
(2) CYCのような従来の治療レジメンの好み
(3)ランダム割り付け後12ヶ月以内の妊娠計画
治療プロトコールとランダマイゼーション
全ての患者が経口プレドニゾン(0.6mg/kg/day for 6weeks,then tapered by 5 mg/day every week to <10mg/day)を投与され、維持療法の間継続された。患者は以下の群にコンピューターの造った1:1の4症例ごとのブロックによってランダム割り付けされた:
(2) TAC6ヶ月 (初期量は0.1 mg/kg/dayを2分割で。3ヶ月の時点で臨床的反応が良ければ0.06mg/kg/dayに減量される。
中央のresearch assistantがブロック法に応じて治療レジメンの分配に責任をもった。新たなACE阻害薬またはARBは最初の6ヶ月間は禁止された。登録時に投与中であった患者では投与量を維持することとした。
MMFとTACの投与量の調節は患者の耐用性、副作用によってなされた (副作用の例; MMFの白血球現象、TACの腎障害、感染症)。TACはベースラインと比べSCR値の>40%の持続的上昇があった時、連続する2週間の受診において>30%の上昇があれば中止された。一時的に中止することでSCrの改善があった症例では、TACは低い量で再開され、腎機能に応じて調整された。4週間までに改善しない場合、患者は脱落した。TACのトラフ値は>5 ng/mLを目標値とした。
Outcomes of interest
The primary outcomeは6ヶ月の時点における腎CRの割合。
Secondary outcomesは、
(1)6ヶ月の時点におけるpartialresponse (PR)、non-response (NR)の割合
(2)維持療法の間の腎再燃率
(3)腎機能悪化の複合アウトカム は経過中の
・CrClの≥30%の悪化、OR
・CKD stage4/5への進展;すなわちCrCl <30 mL/min、OR
・死亡。
私たちは6ヶ月の時点における、ACR-SLE腎改善基準に応じたCR率も評価した。
Maintenance and salvage treatment
MMF or TACの6ヶ月間の治療によってCR or good PRになった患者は維持療法のためにAZA 2mg/kg/dayにシフトされた。MMFやTACのSuboptimal respondersは高用量プレドニゾロンとともに経口CYC (2 mg/kg/day)または毎月のIVCYC (0.5–1g/m2)を6ヶ月投与される (CYCに耐用できないか、耐性でない限り)。メチルプレドニゾロン・パルス療法があってもなくても。腎の再発をした患者は主治医の決めた再治療を受けることとした。患者は最初の6ヶ月は2ヶ月毎に、その後は3ヶ月毎にフォローされた。CBC, SCr, アルブミン, CrCl, 24時間蓄尿による尿protein-to-creatinine ratio (uP/Cr) estimation、lupus serology (anti-dsDNA and complements)を受診の度に測定された。尿沈渣はベースライン、6ヶ月の時点、腎の再発が疑われる時に測定された。SLEの疾患活動性は前向きSELENA試験で使用されグローバルに妥当化されたインデックスであるthe Safety ofEstrogens in Lupus Erythematosus National Assessment (SELENA)-SLE DiseaseActivity Index (SLEDAI)で評価された。
Sample size calculation and statisticalanalyses
この試験は非劣勢試験としてデザインされた。非劣勢の境界はthe primaryoutcome (CR at 6 months)の12.5%でセットされた。これはCR率の違いのtwo sided 95%CIの加減が-12.5%を超えるべきでないといことを意味する。the primary outcomeの解析はthe intent-to-treat populationで行われた。アジア人のLNにおける過去のMMFの試験はCR率58%であると報告した。私たちのパイロット試験は6ヶ月の時点で67%の患者がCRを達成することを示した。
6ヶ月の時点におけるMMFとTACのCR率において10%差がつくこと推定し、サンプルサイズとして140例が必要であった。one-sided α level of 0.025を用いて、TACのMMFに対する非劣勢が80%のパワーで言えるために。この試験の数値はmean±SDで表された。MMFとTAC群のベースラインの比較はcontinuous variables はthe independent Student t testで、categoricalvariablesはχ2 testで行われた。異なるタイミングにおける両群間の差は共分散のone-way analysisによるベースライン値の調整で比較された。その群における比較(ベースラインと様々なタイミングにおける)はthe paired Student t testでなされた。 二変数の相関はSpearman’srank correlationで検討された。経時的な腎再発の累積発生率と腎機能の悪化・死亡はKaplan–Meier’s analysisで評価された。MMFとTAC群の違いはthe log-rank testで比較された。死亡した患者、フォローできなかった患者においてはデータは最後の受診時で打ち切りされた。
※リウマトロジストによる追記
・PRの定義;尿蛋白の減少(ネフローゼレベルなら≥50%の低下+<3g/day;ネフローゼレベルでなければ≤50%ながら>1 g/day)を伴うSCRの安定・改善, AND C3の改善 AND 尿沈渣の活動性の改善 (≤5/high-power field)。
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