リウマチ膠原病のQ&A

日常診療で出会ったギモンに取り組んでいきます!

AURORA-2 (AURORA-1の延長2年)

AURORA-2

Safety and Efficacy of Long‐Term Voclosporin Treatment for Lupus Nephritis in the Phase 3 AURORA 2 Clinical Trial - Saxena - 2024 - Arthritis & Rheumatology - Wiley Online Library

 

Intro-Method -Result

AURORA1の1年間の盲検をさらに2年延長して、長期の安全性とtolerbilityをみようとしたRCT (placeboというかコントロール群もさらに2年、合計3年もプラセボを継続)。

AURORA1の357例のうち255例がAURORA2に登録された。Voc116vs コントロール群100

このうち最後までAURORA2を完遂できたのが101vs85

原則としてAURORA1の最後に使用されていた投与量を継続としたので、大多数(78.4%vs90.0%)がAURORA2の開始時には23.7mg1日2回を内服していた。AURORA2の最終日にはVOCの49.1%vsコントロールの64%が同じ量を継続できた。

 

 

Safety

VOCは3年間よく耐用され、新たな安全性シグナルは検出されず。AEsも86.2% vs 80%。seriousAEsも18.1% vs 23%。AEプロフィールもAURORA1と同様であったが、1年毎で見るとAE頻度は減っていった。AEの86% vs 81.3%はmild-moderateだった。治験薬中止は9.5% vs 17%とむしろコントロール群で多し。

感染症が最もコモンで、69.8% vs 72%;重症感染症は12.9% vs 17%;SARS-CoV-2感染も7人vs12人;このうちseriousは5人 vs 2人。

医師報告に基づくGFR減少が10.3% vs 5.0%;高血圧が8.6% vs 7.0%;降圧薬が2.6% vs 10%で開始された。

死亡は4人 vs 4人

 

Renal function by eGFR

平均補正eGFRは、両治療群とも試験期間中、正常範囲で安定しており、3年間の治療期間中、群間で統計学的な差はなかった。

 

Details are in the caption following the image

 

AURORA 1試験(Voc群:0.86mg/mg、Control群:1.47mg/mg)で治療開始1年目に達成された平均UPCRの減少は、AURORA 2試験期間中も両群で維持された。MMRM解析では、36ヵ月目を除くすべての時点で、baselineからのUPCRの減少が対照群と比較してVoc群で有意に大きかったことが確認された。安全性追跡調査時の平均UPCRはVoc群で0.78mg/mg、Control群で1.47mg/mgであった(図3A)。全体として、UPCRがbaselineから50%以上減少し、UPCRが0.5mg/mg以下になった患者の割合は、12ヵ月目と18ヵ月目まで増加し、全治療期間にわたって維持された。

 

 

Voc投与群では、ほぼすべての時点でCRRとPRRが対照群と比較して有意に改善した。AURORA2終了時(36ヵ月目)には、Control群よりもVoc群の方がCRRを達成した患者が多く(50.9%対39.0%;OR 1.74;95%CI 1.00-3.03)、その主な要因はUPCR≦0.5mg/mgの蛋白尿減少を達成したことであった(54.3%対43.0%;OR 1.66;95%CI 0.00-3.03)。5mg/mg(54.3%対43.0%;OR1.66;95%CI0.96-2.88)、PRR(74.1%対69.0%;OR1.39;95%CI0.75-2.58)を達成した(表3;補足表S10、http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/art.42657).36ヵ月目のデータがない患者を対象としたLOCF解析では、Voc群17例中12例(70.6%)、Control群13例中5例(38.5%)が最終UPCR測定値に基づいてbaselineから50%以上のUPCR低下を達成した。

全体として、Control群よりもVoc群で有意に多くの患者が良好な腎転帰を得た(66.4% vs 54.0%;OR 0.56;95%CI 0.32-0.99)。すなわち、盲検化されたCECの判定によると、UPCRが0.7mg/mg以下で十分な奏効を示し、その後の腎フレアがなかった。十分な効果が得られた患者(Voc群101例、Control群73例)のうち、腎フレアを経験した割合は両群とも同程度であった。腎臓以外のフレアーも3年間の治療期間を通じて各群で同様であった(表3)。