リウマチ膠原病のQ&A

日常診療で出会ったギモンに取り組んでいきます!

ALMSの対象(ループス腎炎に対するMMF vs IVCYのRCT)

ALMSの対象について調べました。
 
 
Study inclusion criteria
12-75歳で、ACR revised criteriaSLEと診断されていなければならない。長期の免疫抑制療法を必要とする患者。
・腎生検はrandomization6ヶ月以内に行われており、組織型はClass, -S, -G (active or active/chronic; A or A/C), Ⅴのいずれか、あるいはこれらの混合。さらに、
・ラボデータは以下で定義される活動性腎炎を定義するものでなくてはならない。Class-S、Ⅳ-Gなら尿蛋白≧1000mg/24hまたはCr>1.3 mg/dL、または尿沈渣の活動性;ClassⅢかⅤの患者なら尿蛋白≧2000mg/24hまたはCr>1.3 mg/dL
・登録の前に書面でのICに同意をしていること
 
 
Study exclusion criteria
Randomizationより以前の2週間より長期に持続透析を受けていれば除外(または8週間より長期に行うことが予測されている場合も)。または過去に腎移植術を受けている場合、受ける予定である場合も除外。
6カ月以内に膵炎または消化管出血の既往がある場合:Randomizationより前3ヶ月以内の治っていない活動性の消化性潰瘍。
原発性・後天性免疫不全
・臨床上重要な投薬、またはアルコール乱用
Randomization5年以内の悪性腫瘍(完全に切除された基底細胞癌を除く)
・リンパ増殖性疾患または過去の全リンパ節照射
Randomization3ヶ月以内の重症のウイルス感染症CMV, HBV, HCV, 既知のHIV
・その他の除外すべき活動性の病気:重症の心血管系疾患、肝不全、COPDSLEに関係のない骨髄抑制;活動性出血性疾患、抗生剤投与を要する現在の感染症(内服抗生剤を要する感染症であれば除外されない);その他の自己免疫疾患;その他の主な身体的精神的疾患。Randomization6ヶ月以内の重大な交通外傷;調査者の判断でこの研究の評価やアウトカムに干渉するかもしれない、あるいはそのリスクを上げるかもしれない任意の医療的状況
・スクリーニングの前の4週間以内に他の臨床試験に参加した患者も除外した。
・妊娠、授乳中の患者、(二つの別々の方法で定義される)十分な避妊方法をとらない患者も除外した。
・禁止薬剤は12ヶ月以内またはrandomization2週間以内のSLE寛解導入で用いられる薬剤(ミコフェノレートモフェチル、シクロフォスファミド、ニトロジェンマスタード、クロランブシル、ビンクリスチン、プロカルバジン、エトポシド)、または維持療法で用いられる薬剤(アザチオプリン、シクロスポリン、メトトレキサート);研究の2週間以内の、あるいは試験期間中のステロイドパルス療法、血漿交換療法、免疫グロブリン;randomization6ヶ月以内のインフリキシマブ、アダリムマブ、エタナセプト、エファリズマブ、アレファセプト、12ヶ月以内のリツキシマブ;試験期間中のステロイドの腸溶剤;維持療法以前または期間中のアロプリノール;randomization4週間以内のコレスチラミンや腸肝循環に干渉することが知られているその他の薬剤;寛解導入療法期間中のNSAIDsまたはCOX2阻害薬;高用量のフェノバルビタール、または調査者の判断による寛解導入療法中の長期間の同剤の使用。
・試験薬の評価に干渉する可能性があるその他のいかなる薬剤もその使用については臨床試験監査役と議論してからでなくてはならない。
 
 
< まとめ > 
Ⅳ型なら蓄尿蛋白1g以上かCr>1.3か尿沈渣の活動性があれば含まれるが、ⅢかⅤ型なら蓄尿蛋白2g以上かCr>1.3のいずれかを満たさなくてはならない。
 
 

※必要に応じて ↓ 飛んでくださいませね

 寛解導入(ALMS-1)

 https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/12536069

 維持療法(ALMS-2)

 https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/12574894

 ALMS治療の詳細

 https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/12588707

 ALMSの対象

 https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/12943433

 

 

ps

↓SLEの緊急病態

 

 

↓執筆協力しております!