CYCLOPSの長期成績がでました。当初は18ヶ月でしたが、中央値4.3年の長期成績です。
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Pulse versus daily oral cyclophosphamide for induction of remission in ANCA-associated vasculitis: long-term follow-up.
Ann Rheum Dis. 2012 Jun;71(6):955-60.
Abstract
INTRODUCTION:
・過去に報告されたCYパルスのコンセンサスの得られたレジメンにおけるRCTによると、連日内服のCYと比べ同じステロイドのプロトコールを用いればANCA関連血管炎の寛解導入において同等に有効であることが示唆された (CYCLOPS study;ANCA関連全身血管炎における連日内服vsパルスCYのRCT (de groot K, harper L et al Ann Int Med 2009)。
・この試験は再発の違いを検出するにはパワー不足であった。この度の試験においてCYCLOPS studyにおける患者の長期のアウトカムについて述べる。
METHODS:
・全ての患者は彼らが無作為に割りつけられた群に応じて解析された。
RESULTS:
・フォロー期間の中央値は4.3年 (IQR, 2.95-5.44 years)。二群間において生存率に有意な差はなかった(p=0.92)。
・連日内服群の15例(20.8%)、パルス群の30例 (39.5%)が少なくとも1回の再発をした。
・再発のリスクはパルス群と比べ連日内服群において有意に少なかった (HR=0.50, 95% CI 0.26 to 0.93; p=0.029).
・パルス群では再発リスクが上昇していたが、試験終了時において腎機能に差はなかった(p=0.82)。
・二群間において有害事象に差はなかった。
DISCUSSION:
・パルスCYは連日内服と比べ再発が多い。しかし、これは死亡率や長期の罹患率に関連するものではない。
・この試験は後ろ向き試験ではあるが、オリジナルの試験に参加した患者の90%において得られたデータに基づくものだ。
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<リウマトロジストのコメント>
CYCLOPSのExtended reportにて、Pulse CYはDaily oralに比べ、再発率が多いということがわかりました。
なので、パルスより内服が良いというのも一理あります。再発しやすいWG/GPAや重症例にDaily oralを勧めるということも妥当です。
しかし、CYの投与量を減らすことができるという利点はパルスに分があり、再発したときに再治療をしても問題ない病気のようにも思います。
ご存じ、Daily oralとリツキシマブとのRCTではリツキシマブが勝ちました。
また、リツキシマブの保険適応がCY耐性→活動性が高ければ全例に拡大されました(※)。
CYの投与方法にこだわる必要はない時代なのかもしれません。
※2014.8月、リツキシマブの保険適応が拡大されました。
(添付文書より)
3 .ヴェゲナ肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎については、初発例を含む疾患活動性が高い患者、既存治療で十分な効果が得られない患者等に対して本剤の投与を考慮すること。
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