NIHプロトコールの長期のデータ－ステロイド単独 vs CYパルス併用－；ループス腎炎、SLE

ステロイド剤とシクロフォスファミドパルス療法（NIHプロトコール）の併用の有効性は11年後のデータで、確固たるものになりました。

最初の報告（1996年）はフォロー期間、5-8.5年におけるデータでしたが、Extended reportで中央値11年の結果が報告されております（2001年）。

投与方法など詳しいMethodsは前項に記載しております。

https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/13345102

Abstractのみ訳しますが、ここのFigureは印象的です。

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Combination therapy with pulse cyclophosphamide plus pulse methylprednisolone improves long-term renal outcome without adding toxicity in patients with lupus nephritis.

Ann Intern Med. 2001 Aug 21;135(4):248-57.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11511139

Abstract

BACKGROUND:

ループス腎炎の比較試験はCYによる治療がステロイドの単独治療よりも優れている事を示した。CYパルス療法レジメンの長期の効果と副作用のプロファイルは分かっていないため、さらなる研究を行うべきだ。

OBJECTIVE:

mPSL、CY、または併用による毎月の治療の長期のリスクと利益を決める。

DESIGN:

RCTの延長したフォロー（中央値11年）

SETTING:

米国政府調査病院；U.S. government research hospital.

PATIENTS:

増殖性腎炎の82例

MEASUREMENTS:

Rates of treatment failure (defined as need for supplemental immunosuppressive therapy or doubling of serum creatinine concentration, or death) and adverse events.

治療失敗の割合（補助的な免疫抑制療法が必要になるか、Crが二倍化するか、死亡するかのいずれかで定義）と副作用

RESULTS:

ITT生存解析において治療失敗のなりやすさはmPSL群と比較し、CY群、併用群で低かった（p=0.04、0.002）。併用群とCY群は効果と副作用の面で差はなかった。プロトコールを完遂した患者65例のうち、Crの二倍化を経験した患者の割合はCY群よりも併用群で有意に低かった（relative risk, 0.095 [95% CI, 0.01 to 0.842]）。

CONCLUSION:

フォローの延長においてCYパルスはループス腎炎の治療としてmPSLパルス単独よりも優れた効果を示した。CYパルスとmPSLの併用はCYパルス単独よりも追加的な利益を提供するようだったが、追加的な副作用のリスクを与えなかった。

Figure