ついに勉強せざるおえなくなったので、Uptodateの記載を選り好みして、一気に訳しました。ご参考になれば幸いです。
<用語>
●2019年末、CVはWuhanで肺炎のクラスターの原因として同定され、その後、中国国内に急速に広まり、その後世界中の国々に広まった。2020年2月、WHOは2019年に流行した感染症という意味でthe disease COVID-19と名付けた。COVID-19の原因となるウイルスはSARS-CoV-2とされた。
●COVID-19の理解は変化しつつあり、中間的なガイダンスはWHOやUSのCDCによって公表されている。
<感染ルート>
●感染リスクの理解は十分でない。outbreak初期のWuhanにおける疫学的な調査は生きた動物を売るseafood marketに関連があることを同定した。ほとんどの患者がそのseafood marketで働くか、訪れていた。その場所は最終的に消毒のため閉鎖された。しかしoutbreakが進行するにしたがって、ヒトーヒト感染が主な感染経路になった。
●ヒトーヒト感染はインフルエンザと同様に、主に飛沫感染で起こると考えられた。飛沫感染では、感染者が咳、くしゃみ、会話によって呼吸分泌物に放出されたウイルスがもし他人の粘膜に直接入ればに伝染することができる。感染はウイルスのいる表面に人が触れた後にその人が眼や鼻、口を触っても感染しうる。飛沫は典型的には2mより遠くにはいかないし、空気中には残らない。SARS-CoV-2が実験的に生成されたエアロゾルで少なくとも3時間、様々に残ることをある。letter to editorで述べられていたが、COVID-19の疫学においてこの結果が大切であるかは不明であり、臨床的な意義も不明。感染経路に関する現在の不明確さを加味すると、特定の環境では空中の警戒も推奨される。
●SARS-CoV-2 RNAは血液、糞便からも検出される。生きたウイルスが便から培養されているが、WHO-China報告によると便から口への感染は、感染拡大の重要な要素ではなかった。
<感染性のある期間>
●COVID-19の個人が感染させうる期間は分かっていない。SARS-CoV-2は発症前に感染する可能性があるようだ。また疾患の経過全てにおいてもそのようだ。しかしこの問題に関するほとんどのデータは呼吸器やその他の標本からのウイルスRNAの検出を評価している。ウイルスRNAの検出は必ずしも感染するウイルスの存在を示唆するものではない。
●上気道の材料からのウイルスRNAレベルは疾患のその後に検出されたものと比べて発症直後に高いようだ。さらに軽症COVID-19の9例の研究では感染ウイルスは最初の1週間の鼻、口腔咽頭、喀痰から検出されたが、その後はなかった。これらの部位でウイルスRNAは持続的に検出されていたが。これらの所見は感染が病気のより早期に起きやすいかもしれないという可能性を上げる。しかしこの仮説についてはさらなるデータが必要。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32235945
●ウイルス排出の期間も様々で、疾患の重症度によるかもしれない。低酸素血症のない軽症21例の研究で、90%が発症10日までは鼻咽頭swabでウイルスRNA検査が繰り返し陰性。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32199493
●もうひとつのCOVID-19を生き延びた、137例の研究では口腔咽頭swabからのウイルスRNA排出の期間は中央値20日(8-37日)。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32171076
●上述のとおりウイルスRNAの検出は必ずしも感染しうるウイルスの検出に関連しない。そして、ウイルスRNAにおいてそれ以下であれば感染がおきそうにない閾値は分かっていない。軽症COVID-19の9例の研究では感染性のウイルスはウイルスRNAレベルが<10^6 copies/mLであれば検出されなかった。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32235945
<感染のリスク>
●症状のある患者から報告された感染の割合は場所によって異なる。感染コントロールの介入によっても異なる。WHO-China合同報告書によると続発性のCOVID-19の率は中国で確認された患者との濃厚摂食者何万人ものうち、1-5%。これらのほとんどは家族内発生であったが、二次的な家族内発生は3-10%。
●クルーズシップのメンバーにおいて、2%で確かな感染を起こした。
●USでは症状のある二次性のアタックは10例の患者の濃厚摂食者445人の内0.45%であった。家族内では10.5%。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32134909
●無症状の患者からのSARS-CoV-2の感染も報告された。しかし、これがどの程度起きるのかは不明だ。局地的な報告であるが、シンガポールのCOVID-19の157例の解析で、潜伏期の感染は6.4%と見積もられた;このようなケースでは症状が発生する1-3日前に暴露があった。大規模な血清スクリーニングは無症候感染のより良い視点を提供し、疫学的解析を警鐘しうるかもしれない。SARS-CoV-2のいくつかの血清学的検査が開発中であり、FDAで承認されているものもある。
<免疫について>
ウイルスに対する抗体は感染した患者から検出されている。当初のエビデンスはこれらの抗体のいくつかは保護的な抗体であり、これは確かなことである。ただし全ての感染患者が保護的な免疫反応を備えるか否かについては分かっていない。任意の保護的な効果がどのくらい持続するのかについても分かっていない。
●COVID-19感染後の保護的な免疫に関するデータが出てきている。COVID-19の治療として回復期の血漿を評価したケースシリーズでは回復した患者の血漿には中和抗体が検出され、血漿輸注されたようだ。同じく、もうひとつのCOVID-19のから回復した23例の研究によるとspike protein and nucleocapsid proteinのドメインに結合する受容体に対する抗体がELISAで発症14日後までにほとんどの患者で検出された。暫定的な研究であるが、SARS-CoV-2に感染したアカゲザルは回復とrechallengeで再感染を起こさなかった;しかしこの研究はpeer-reviewed journalに出版されておらず、この事についてのさらなる確認が必要。
●FDAは量的なIgM、IgG抗体を検出する検査を承認した。これらの抗体が本当の免疫反応を表すことを確認できれば、血清スクリーニングは免疫をもつ人口と再感染のリスクがより低い個人を理解するツールとして、重要となる。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
COVID-19の潜伏期
https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/2020/04/10/232500
COVID-19の重症化・死亡のリスク
https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/2020/04/19/135836
COVID-19の臨床所見
https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/2020/04/19/141511
COVID-19の画像所見
https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/2020/04/19/142538
COVID-19の無症候性キャリア
https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/2020/04/19/144436
COVID-19の管理
https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/2020/04/19/214838