リウマチ膠原病のQ&A

日常診療で出会ったギモンに取り組んでいきます!

滑膜炎のない抗CCP抗体陽性の個人においてエコー上の第5MTPの骨髄浮腫+滑膜炎がRA発症を予測する

Ultrasound erosions in the feet best predict progression to inflammatory arthritis in anti-CCP positive at-risk individuals without clinical synovitis

https://ard.bmj.com/content/early/2020/05/03/annrheumdis-2020-217215

 

Objectives 

臨床的な滑膜炎がない抗CCP抗体陽性の個人において超音波(US)上の骨髄浮腫(BE)の存在と分布を調査すること、また、それらのsubclinicalな滑膜炎との関連、炎症性関節炎の発生との関連を調査すること

 

Methods 

抗CCP抗体陽性の419例の個人のベースラインのUSスキャンを解析した。BEは関節リウマチのダメージの典型的な場所で評価された:第2MCP、第5MCP、第5MTP。US上の滑膜炎は滑膜肥厚synovial hypertrophy (SH) ≥2、あるいはSH ≥1かつpower Doppler signal ≥1と定義した。1回以上のフォローアップがある者(n=400)をprogression analysisに含めた。

 

Results 

1つ以上の関節にBEがあったのは41/419例 (9.8%), 55/2514 関節(2.2%)。BEはMCPに比べMTP5に有意に多かった(p<0.01)。BEとUS上の滑膜炎との有意な関連は第5MTPにみられた (Cramer’s V=0.37, p<0.01). 炎症性滑膜炎の発生のOR (ever) は以下で最大となった:

・BE in >1 joint 10.6 (95% CI 1.9 to 60.4, p<0.01)

・BE and synovitis in ≥1 MTP5 joint 5.1 (95% CI 1.4 to 18.9, p=0.02).

・リウマトイド因子陽性と1つ以上の関節でのBEを有する抗CCP抗体高値陽性の個人では、ORは16.9 (95% CI 2.1–132.8, p<0.01)に上昇.

 

Conclusions 

抗CCP抗体陽性の個人において足趾のBEは臨床的滑膜炎より早く出るようだ。BE in >1 joint、およびBE in combination with US synovitis in the MTP5 jointsは臨床的滑膜炎の発生を最も良く予測した。