リウマチ膠原病のQ&A

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MepolizumabのRCT(批判的吟味)

Mepolizumab or Placebo for EosinophilicGranulomatosis with Polyangiitis.

Wechsler ME, et al. 

N Engl J Med. 2017 May18;376(20):1921-1932


Abstract
BACKGROUND:
EGPA好酸球性血管炎だ。Mepolizumabは抗IL5モノクローナル抗体で、好酸球数を減らし、EGPAの治療で役割があるかもしれない。
METHODS:

このphase3の二重盲検比較試験において4wk以上安定PSL/PSNを内服中のrelapsingor refractory EGPA患者を52wkstandardcareに加えMepolizumab 300sc/4wkプラセボに無作為割り付けをした。二つのプライマリエンドポイントは分類定量に応じた52wkにおける累積寛解期間(wk)w36and w48の両時点での寛解の患者の割合。セカンダリエンドポイントとして最初の再発までの期間、48-52wkの間の平均GC投与量。年間再発率と安全性も評価した。

RESULTS:

合計136例がRandomizationを受け、68例がMep、、68例がplに割り付けられた。Mepは有意に多い累積寛解期間(wk)を達成した(累積寛解≥24wk28% vs. 3%; OR, 5.91; 95%CI, 2.68-13.03; P<0.001)。またw36+w48の両時点での寛解も多かった (32% vs. 3%; OR, 16.74;95% CI, 3.61-77.56; P<0.001)寛解Mep47%で達成されず、plでは81%で達成されなかった。年間再発率はMep1.14pl2.27 (rate ratio, 0.50; 95% CI, 0.36-0.70; P<0.001). Mep44%Pl7%)が48-52wkの平均PSL/PSN4mg (OR, 0.20; 95% CI,0.09 to 0.41; P<0.001)。安全性プロフィールは過去の研究と同様だった。

CONCLUSIONS:
EGPA患者においてMep寛解は有意に長い期間週数であり、また有意に高い割合で達成され、ステロイド減量を可能にした。それでしてもプロトコールで定義された寛解を達成したのはMepで約半数であった。
 
<批判的吟味>
中央割り付けのランダム化比較試験
 
ベースラインはいくつかの差がみられた(有意差検定はされていない)
BVAS>0即ち元々活動性があった割合はMep 54% vs pl 71%plで多い。
免疫抑制剤が入っている割合は60% vs 46%Mepoで多い。
③心筋症・肺胞出血はMepoで多い。
refractory displで多い
※しかしちゃんとRandomizationしたRCTではTable1の比較はしないという見解もある(ここの群間の差についてDiscussionLimitationで触れてほしかったかな....
 
ITT解析;追跡率は126/136=92.6%
 
二重盲検;患者と治療者の盲検化がなされている。
 
サンプルサイズの計算;イベント発生率:25 vs 54%を想定してp<0.05有意水準としたときの検出パワー90%で計算された;各群65例のところを68例ずつ登録されたので十分。
 
結果の評価
52wkにおける累積寛解達成24wkMep28%pl3%(これからの計算のため非累積寛解24wkをアウトカムに変えます;でも同じことです)
→累積寛解24wkの非達成はMep 72%(49/68)pl 97%(66/68)

→こちらでRRRを計算すると、RR=(49/68)/(66/68)=0.7424RRR=0.26

ARR=0.970588 - 0.720588=0.25NNT=4(ぴったり4
Mep52wkの累積寛解24wkに対するNNT4RRR=26%
 

w36+w48寛解の達成はMep32%(22/68)pl 3(2/68)

→非達成は68%(46/68)97%(66/68)
RR=(46/68)/ (66/68)=0.6969RRR=0.30
 ARR=(66/68) - (46/68)=0.29411NNT=1/0.29=3.44NNT=4
Mepw36+w48寛解達成に対するNNT4RRR=30%

 

 

ps;↓でEGPA診断に関するreviewを執筆させていただきました!

 


 

 

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