高齢者のAAVに対するCORTAGEを読んでいます。
<リウマトロジストの疑問>のつづき
Conventional群のステロイド減量は初めのうちは早くてExperimental群よりも少ない量ですが、97日目にはExperimentalに追い越されて、多い量のまま、PSL中止も遅れます(724日 vs. 247日)。
Conventional Arm
Days No. of weeks Dose(mg/day) Cumulative dose/period(mg)
1–21 3 60 1260
22–42 3 45 945
43–56 2 30 420
57–84 4 25 700
85–112 4 20 560
113–140 4 17.5 490
141–168 4 15 420
169–253 12 12.5 1050
254–338 12 10 840
339–366 4 9 252
367–394 4 8 224
395–442 4 7 196
443–470 4 6 168
472–499 8 5 280
500–555 8 4 224
556–611 8 3 168
612–667 8 2 112
668–723 8 1 56
Total duration: 728 days, 26months (104 weeks). Total cumulative dose: 8305 mg
2.Conventional群におけるIVCYの減量は?(年齢・腎機能に応じた減量はしないのか?)
Conventional群はFFSに基づいて決定されるという従来通りの標準的な治療法です。とは言っても、ステロイド単独で治療されるのはFFS=0のEGPAとPANだけであって、FFS1以上のEGPAとPAN、FFSによらない全てのMPAとGPAはステロイドとIVCYで治療されます。
CORTAGEのプロトコールはFVSGのホームページよりFreedownloadできます。
Cockcroftで計算したCcr<25 ml / minならCYを20%減量するという記載がありました。
3.Conventional群はFFSによって二つの治療プロトコール(IVCYの有無)があるようですが、これをExperimentalと比較してもよいのでしょうか。すなわち、IVCYを使うもの同士で、Experimental vs Conventionalを比較したサブ解析はないでしょうか。
Supplementary Table 3にFFS1以上のMPA/PAN/EGPAの成績が記載されていました
・SAEsはExperimetnal 15/19 (79%) vs Conventional 20/24 (83%)と差はないようです。
・Induction failure (Remisionできなかった割合)は 1/19 (5%) vs 5/24 (21%)でした;Experimentalの寛解導入の効果はConventionalと同等のようです。Relapseは8/18 (44%) vs 3/19 (16%)でした;Experimental群のRelapseは多いですね。
Supplementary Table 4に、疾患別の成績が記載されていました。Table 3になかったGPAをみてみます。
・SAEsはExperimental 11/21 (52%) vs Conventional 14/15 (93%)と、Experimentalで少なかったようです。
・Induction failureは各4/21 (19%) vs 2/15 (13%)と同等のようです。Relapseは各10/17 (59%) vs 5/13 (38%)であり、FFS1以上のMPA/PAN/EGPAと同様にRelapse はExperimentalで多かったようです。
→ ExperimentalはConventionalよりも安全性は高いのに、寛解導入率では劣らないようです。長期的には再発率が上がるようです。CYCLOPSの結果とよく似ています。
<コメント>
65歳以上のSNVでは控えめなIVCYと短期間のステロイドも選択肢になりそうですね。日本でもこういう試みが行われることを望みます。
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