ADACTAは生物製剤を優越性で比較した最初のHeadto head trialです。
MTXが使えないRA患者におけるアクテムラ vs ヒュミラ、注目の対決です。一読者として残念であったのは、臨床効果のみで評価されており骨破壊をみていないこと、6ヶ月という比較的短期間で終了していることでしょうか。
Tocilizumab monotherapy versus adalimumab monotherapyfor treatment of rheumatoid arthritis (ADACTA): a randomised, double-blind,controlled phase 4 trial.
Gabay C, Emery P, Kavanaugh A, et al;ADACTA Study Investigators.
Lancet. 2013 May 4;381(9877):1541-50.
Abstract
BACKGROUND:
生物製剤で治療されるRA患者のおおよそ3分の1が単剤で治療される。トシリズマブはIL6受容体の阻害薬であり、いくつかの臨床試験で単剤療法として研究された。私たちはRA患者においてTCZ単剤をADA単剤と比較した。
METHODS:
私たちはこのランダム化二重盲検化、parallel-group, phase 4の優越性試験を北南アメリカ、オーストラレーシア、ヨーロッパの15カ国76施設において行った。6ヶ月以上重症である18歳以上のRA患者を登録した。MTXが耐用できないか継続することが適切でないことを条件とした。患者はTCZ点滴8mg/kg/4wks+placebo/2wksかADA皮下注40mg/2wks+placeboに24週間の間、ランダムに割りつけられた(1:1; block size of four)。調査者、患者、スポンサーの職員は割り付けについてマスクされた。Primary endpointはベースラインから24週までのDAS28の変化。
FINDINGS:
・452例をスクリーニングし、326人を登録した。ITT解析の人口は325人 (TCZ163人、ADA162人)。24週のDAS28の平均変化はTCZ群(-3·3)においてADA群に比べ(-1·8)有意に大きかった (difference -1·5, 95% CI -1·8 to -1·1; p<0·0001)。
・ADA群162人中16人 (10%)、TCZ群の162人中19人 (12%)が重症の副作用を経験した。TCZ群の患者はADA群に比べ、LDL-cholesterolが上昇し、ALT濃度が上昇し、血小板数と好中球数が減少した。
INTERPRETATION:
MTX投与が適当でないと思われるRA患者においてTCZ単剤はADA単剤よりもRAの所見・症状を改善させる上で優れていた。TCZとADAの副作用プロファイルは過去の報告と同等。
(本文より)
2例が死亡し、いずれもTCZ群であった。49歳女性の死亡はstudy day 3に起き、TCZと関連がないようであった;死因は違法ドラッグのOverdose (尿のマリファナ、ベンゾジアゼピン、methadone)が疑われた。56歳男性のstudy day 93の死亡はひょっとするとTCZに関連した。剖検はおこなわれておらず、死因は不明であったが。
Figure 3
Table 4