リウマチ膠原病のQ&A

日常診療で出会ったギモンに取り組んでいきます!

腓腹筋の肉離れ

<Clinical scenario>
40代男性。 患者は自分です。
 
電車の閉まる扉に乗ろうとダッシュした瞬間、「左腓腹部をバットで強打された感覚」が出現し、痛くて左足をつけなくなりました。
 
電車のなかでも、背もたれに寄りかかりながら、右足で立っていました。電車を降りたら、ほとんど歩けなくなっていました。手すりにつかまって、どうにか歩き、駐輪場までたどり着きました。
 
自転車には、右足でしっかりこぐことで乗ることができました。ようやく自宅についたのでした。
 
そういえば、ここ1ヶ月の間に2回ほど、階段を駆け上がった瞬間に同部に軽い症状が出現していました。歩けないほどではなく数日で気にならなくなっていたのですが、今回のは強烈でした。
 
翌日も歩きづらい状態だったので、整形外科の先生に聞きました。
 
「長くて、3-4週間かかります。歩くことができているので大丈夫でしょう。」
 
 
<Uptodate>
(Uptodate, accessed Sept 2015)
Gastrocnemius strain — 腓腹筋の筋挫傷(肉離れ)
腓腹筋の肉離れは筋に不自然な負荷をかけるような弾道運動の最中に突然起きる筋の損傷。典型的にはアスリートが走ったり、ジャンプするとき突然起きる。足関節が急激に底屈位から背屈位になる瞬間に。たとえば、腓腹筋の肉離れはテニスプレイヤーがリターンショットを打つために急に体の向きを変えたときに起きやすい。そのため、テニス・レッグという言葉が腓腹筋障害の内側頭にしばしば応用される。
 
腓腹筋の肉離れの患者は典型的に走ったりジャンプした瞬間にふくらはぎに、急性疼痛を伴う突然損傷された感覚または音がする感覚と表現する。患者は体重をかけるのが難しくなり、不快感を和らげるため足を動かさず底屈して足趾に体重をかけて歩くことを好む。間欠的な筋痙攣が起きるかもしれない。それは体重をかけると悪化する。
 
重症の肉離れでは患者のふくらはぎの視診において有意な腫脹と斑状の出血が見られる。非腹部の近位を触診すると通常、腓腹筋の内側頭にそって有意な圧痛がある。筋腹が分からなくなっていることもありうる。足首の自動的な底屈と他動的な背屈によって痛みが生じる。患者は患側だけで腓腹部を上げることができない。アキレス腱断裂を除外するために行われるThompson squeezetestは陰性。
 
 
 
<Scenario caseの経過>
1-2日くらい、歩くのもつらい状況でした。足関節を底屈させてつま先立ちするようにすれば、左下肢に体重をかけれることを発見してからは、不自然な格好ながらも歩くことができました。
 
1週間後、まだ痛みはあります。思いきり底屈することにはかなり敏感になっています。
 
Thompsonテストは陰性でした。アキレス腱は大丈夫のようです(笑)
走塁中の野球選手が肉離れで歩けなくなるのを見たことがあるのですが、スポーツの中ではテニスで多いのですね。