リウマチ膠原病のQ&A

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ステロイド誘発性糖尿病の危険因子

Risk factors for the development of glucocorticoid-induced diabetesmellitus.
Diabetes Res Clin Pract. 2015 May;108(2):273-9.
 
 
 
Abstract
AIMS:
ステロイド誘発性糖尿病の(GC-DM)の発生を食後血糖の繰り返しの測定によって評価すること。GC-DM発症の予測因子を発見すること。
 
METHODS:
リウマチ性疾患・腎疾患のため入院した患者でステロイド投与を受けた者を登録した。GC-DM群の臨床・ラボのパラメーターを非GC-DM群と比較し、リスク因子を検出するため多変量解析を行った。
 
RESULTS:
4週間の間に128例中84 (65.6%) GC-DMを発症した。全ての患者が食後高血糖の検出に基づいて診断された。
GC-DM群は高齢で (65.2 vs. 50.4 years,p<0.0001)、空腹時血糖(93.3 vs.89.0mg/dl, p=0.027)HbA1c (5.78 vs.5.50%, 39.7 vs. 36.6 mmol/mol, p=0.001)が高く、eGFR (54.0 vs.77.1 ml/min/1.73 m(2), p=0.0003)が低かった。非GC-DM群と比較して。
・多変量解析によって、高齢(65歳以上)HbA1cの高値(6.0%以上) eGFR低値(<40 ml/min/1.73m(2))GC-DM発症の独立した危険因子であった (OR 2.95, 95% CI1.15-7.92, OR: 3.05, 95% CI 1.11-9.21, OR: 3.42, 95% CI: 1.22-10.8,respectively)
・これら3つの危険因子のうち少なくとも一つを有する患者におけるGC-DM発症のリスク比は2.28
ステロイドの投与量は統計学的に有意にGC-DMの発症と関係しなかった。
 
CONCLUSIONS:
高齢、HbA1c高値、eGFR低値はステロイドの投与量に関わらず、GC-DM発症について細かにモニタリングする必要がある。
 

 

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