沖縄県立中部病院における臨床研究です。
80歳未満の患者では悪寒戦慄は高熱よりも菌血症を予測するマーカーのようです。
リウマチ科のセッティングでは、成人スティル病が悪寒戦慄しやすい病気だと思いますけどね。
Shaking chills and high body temperaturepredict bacteremia especially among elderly patients.
Springerplus. 2013 Nov 21;2:624.
Abstract
PURPOSES:
高齢化社会において、高齢者と非高齢者の間における菌血症の予測因子の違いは明らかになっていない。この研究の目的は80歳以上の高齢者における菌血症の予測因子を18―79歳の非高齢者の患者と対比して決定することである。
METHODS:
沖縄の紹介病院における後ろ向き記述的研究。期間は2012年4月から2013年3月まで。登録された患者全てが感染症科に菌血症が疑われて入院した成人。HIV感染患者は除外した。悪寒戦慄の病歴、48時間以内の抗生剤の使用、バイタルサイン、入院時の血液検査による炎症マーカー。アウトカムは血液培養陽性とした。
RESULTS:
366人が登録された。平均年齢は78.5(interquartile range [IQR]: 62-88)。18―79歳の患者において悪寒戦慄(adjusted odds ratio [AOR]2.22, 95%CI: 1.09-4.51)、過去の抗生剤使用(AOR 0.08,95% CI: 0.01-0.68)が有意であった。これに対し、80歳以上の患者では悪寒戦慄(AOR 3.06, 95% CI: 1.30-7.19)、体温>38.5°C (AOR 2.98,95% CI: 1.30-6.83)が有意であった。
CONCLUSIONS:
悪寒戦慄の病歴と高熱を示唆するバイタルサインは菌血症を予測する有用な二つの所見である。とくに80歳以上の高齢者においては。これらの結果が他の地域や人口に応用できるかどうかを評価するためにはさらなる研究が必要である。
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<リウマトロジストのコメント>
18-79歳では、Shaking chillsのAdjusted OR 2.22、Prior ABx useのAdjusted OR 0.08によって血液培養陽性の確率が左右されます。
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