(2011年10月のpptより)
120名あまりを4群に振り分けました。
もっとも大切な点は私たちが日常診療で行っているSequentialmonotherapyにくらべ、はじめからMTXとIFXを併用することが勝っているのかということです。
MTXとIFXで開始した4群は改善すれば投薬を減らしていく方法であり、drug freeremissionを目指した内容となっています。その他の群も同様に薬剤を減らすストラテジーでした。結果はどうだったでしょうか。
X線では有意差がでました。身体機能は始めこそは差がつきましたが、4年後には同じになりました。
Drug free寛解に有意差はありませんでした。ですが、Smallestdetectable change=Modified sharpscore4.6unitsに相当する変化が見られた割合は遅めの治療で5割、早目の治療で3割と差がつきました。
4群では播種性結核と化膿性関節炎という2人の感染症による死亡が出ております。始めからInfliximab+MTXを使うことによって1%前後の感染症死が発生しました。1vs3に有意差はでておりませんが、RCTは死亡のような稀なOutcomeで有意差がつくように設定されたサイズではありません。始めからMTX+Bio併用をする事で4年の間に128名中2人が感染症でが死亡したということは事実です。
もう一点見逃すことができない問題があります。早く治療すればするほど、間違いというのは起こりやすくなります。あまり言われていないことですが、1年以内に「じつはRAではなかった」「その他の関節炎であった」ことが5例において判明しました。
58歳女性、軽症のRA
両側性肺炎にて前医ICUに入院。
MTX+IFXにて14ヶ月間治療されていた。ツ反陽性にてINHの予防投薬を6ヶ月間受けた。
インフルエンザ桿菌など肺炎として加療し、一時的に改善したが、再度悪化し転院。
7ヶ月後に敗血症で死亡。