リウマチ膠原病のQ&A

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AMPLE - Biologicsの初の比較試験 -

AMPLE試験はMTX-IRにおける世界初のHead-to-headの比較試験です。
 
1年時のACR20改善率で非劣性を判定するデザインですが、2年間、臨床評価者、X線評価者を盲検化して、臨床効果、X線、機能、安全性を評価しています。
 
注意すべき点として、二重盲検でないこと、Funding by BMS挙げられると思います。
 
(1年後)
Head-to-head comparison of subcutaneousabatacept versus adalimumab for rheumatoid arthritis: findings of a phase IIIb,multinational, prospective, randomized study.
Weinblatt ME, Schiff M, Valente R, van derHeijde D, Citera G, Zhao C, Maldonado M, Fleischmann R.
Arthritis Rheum. 2013 Jan;65(1):28-38.
 
Abstract
OBJECTIVE:
RAに対する生物学的製剤の治療についてエビデンスに基づいた治療をガイドする比較試験が必要である。そのため、この試験はABT皮下注とADA皮下注をMTX治療をバックグラウンドに導入した最初のHead-to-headの比較である。
 
METHODS:
生物製剤の使用歴がないMTX-IRの活動性RA患者をランダムにABT125mg/w皮下注、ADA 40mg/2wk皮下注に割り付けた。MTX併用のもと、2年間。Primary end point1年後のACR20で評価された治療の非劣性。
 
RESULTS:
・ランダム化され治療された646人のうち、scABT86.2%scADA82%12ヶ月の治療を完了した。
1年後、scABT群の64.8%scADA群の63.4%ACR20を満たし、推定される治療間の違いは1.8% (95%CI; -5.6%, 9.2%)であった。したがって、ADAに対するABTの非劣性が証明された。
・効果の目安は全て同様で治療間の反応の速さも同様だった。
X線上骨破壊が進行しないこと(vDH-m-TSS[totalSHS]≦最少検出変化と定義された)はABT 84.8%ADA 88.6%。一方、total SHSは各々0.580.38
ABT群とADA群の重症副作用 (SAEs)は各々10.1%9.1%で、重症感染症は各々2.2%2.7%
ABTで治療された患者は副作用中止の頻度は3.5%SAEによる中止は1.3%。一方のADAでは各々6.1%3%
・注射部位反応はABT 3.8%ADA 9.1% (P=0.006)
 
CONCLUSION:
ABT皮下注とADA皮下注はRA患者において同等の効果を有することが証明された。治療反応性の速さが同等であったこと、1年後の骨破壊の進行の抑制が同等であったことから。安全性は一般に同等であったが、注射部位反応はADAで有意に多かった。
 
 
(2年後)
Head-to-head comparison of subcutaneousabatacept versus adalimumab for rheumatoid arthritis: two-year efficacy andsafety findings from AMPLE trial.
Schiff M, Weinblatt ME, Valente R, van derHeijde D, Citera G, Elegbe A, Maldonado M, Fleischmann R.
Ann Rheum Dis. 2014 Jan;73(1):86-94.
 
Abstract
OBJECTIVES:
RA患者においてMTX併用のもと2年間のABT vs ADAの安全性、効果、X線上の結果を比較すること。
 
METHODS:
AMPLE試験は2年間のphase IIIbの調査者を盲検化したランダム化比較試験。Primaryendpoint1年時。生物製剤を投与sれたことのないMTX-IRの活動性RAABT125 mg/wADA 40mg/2wkで治療された。ともにMTXの投与量は変化しないこととした。
 
RESULTS:
・ランダム割り付けされた646例のうち、ABT79.2%ADA74.7%が治療2年目を完了した。
2年後の効果のアウトカムはX線変化を含み、両群間で同等であり、1年後と同等。2年時のACR20 5070ABT59.7%, 44.7%, 31.1%ADA60.1%, 46.6%29.3%
AEsSAEsの割合は同等。重症感染症ADAで多く(3.8% vs 5.8%)結核2例を含んだ。
・副作用による中止(3.8% vs 9.5%)、重症副作用による中止(1.6% vs 4.9%)、重症感染症による中止(0/12 vs9/19 patients)ABTで少なかった。注射部位反応はABTで少なかった (4.1% vs 10.4%)
 
CONCLUSIONS:
MTX-IRRA患者における生物製剤間のHead-to-head試験における2年間のBlindedの治療後、ABTADAと臨床反応、機能反応、X線変化において同等の効果であった。全体的に、副作用は両群で同様であったが、AEsSAEs、重症感染症による中止、注射部位反応はABTにおいて少なかった。
 
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※安全性はSAEのみ示しました。