リウマチ膠原病のQ&A

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重症肺炎にステロイド剤?

Corticosteroid Therapy for Patients Hospitalized WithCommunity-Acquired Pneumonia: A Systematic Review and Meta-analysis.
Siemieniuk RA, et al.
Ann Intern Med. 2015 Aug 11. doi: 10.7326/M15-0715. [Epub ahead ofprint]
 
Background:
市中肺炎(CAP)はコモンでしばしば重症化する。
Purpose:
CAP患者において死亡、補助的なステロイド治療の効果をmortality, morbidity, 入院期間を調べた
Data Sources:
MEDLINE, EMBASE, and the Cochrane Central Register of Controlled Trials 20155/24まで。
Study Selection:
成人のCAPの入院患者における全身ステロイドのランダム化試験
Data Extraction:
2人のレビュアーが独立して研究データを抽出し、バイアスのリスクを評価した。エビデンスの質はGRADEシステムを用い、著者のコンセンサスのもと評価した。
Data Synthesis:
・年齢の中央値は典型的には60台。約60%が男性。
・補助的なステロイドは以下減らす可能性があった
全ての原因の死亡(12 trials; 1974 patients; RR, 0.67 [95% CI, 0.45-1.01]; risk difference [RD], 2.8%; moderate certainty)
人工呼吸器の必要性(5 trials; 1060 patients; RR, 0.45 [CI, 0.26-0.79]; RD, 5.0%; moderate certainty)
ARDS (4 trials; 945 patients; RR, 0.24 [CI, 0.10-0.56]; RD, 6.2%; moderate certainty)
 
ステロイドは臨床的に安定するまでの時間も減少させた (5 trials; 1180 patients; mean difference, -1.22 days[CI, -2.08 to -0.35 days]; high certainty)
入院期間(6 trials; 1499 patients; mean difference, -1.00 day [CI, -1.79 to -0.21 days]; high certainty)
補助的なステロイドは高血糖の頻度を増やし治療を要することが多かったが (6 trials; 1534 patients; RR, 1.49 [CI, 1.01 to 2.19];RD, 3.5%; high certainty)、消化管出血を増やさなかった。
Limitations:
アウトカムが多いわりに試験の数は少なかった。臨床試験はしばしば有害事象のリスクが高い患者を除外していた。

Conclusion:
成人のCAPの入院患者にとって、全身性ステロイドは死亡率を約3%、人工呼吸器の必要性を5%、入院日数を約1日減らすかもしれない。
Primary Funding Source:
なし。
 
Figure 1.
CAPにて入院した患者における死因を問わない死亡に対するステロイドの効果
重症度によって提示

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