SLEのDisease Activity Index、SLEDAI 2000 (SLEDAI-2K)をまとめます。
Dubois’ lupus erythematosus7th ed-Clinical aspects of lupusより持ってきましたが、原文はこちら。
SLEDAI-2K
点数 記述子
8 痙攣
8 精神病
8 器質的脳疾患
8 視野障害
8 脳神経障害
8 ループス頭痛
8 脳血管障害
8 血管炎
4 関節炎
4 筋炎
4 尿円柱
4 血尿
4 蛋白尿
4 膿尿
2 皮疹
2 脱毛
2 粘膜疹
2 胸膜炎
2 心膜炎
2 低補体血症
2 DNA抗体上昇
1 発熱
1 血小板減少
1 白血球減少
定義は以下の通り
痙攣
最近の発症のもの。代謝性・感染性・薬剤性を除外すること。
精神病
認識機能の高度障害によって正常な活動における機能の変化。幻覚、支離滅裂、顕著な思路弛緩、思考力低下、著名な非論理的思考、奇怪な行動、整理されていない、または緊張病性行動。尿毒症と薬剤性を除外すること。
器質的脳疾患
見当識障害、記憶障害、その他の知的能力の障害を伴う精神機能の変化。臨床所見の急速な発症と変動、注意力散漫を伴い、以下の少なくとも2つを有する:認知障害、つじつまの合わない会話、不眠症または日中の眠気、または精神運動活動性の亢進・低下。代謝性、感染症、薬剤性を否定すること。
SLEの網膜病変。細胞様変化(cytoid bodies)、網膜出血、脈絡膜の滲出液または出血、あるいは視神経炎を含む。高血圧、感染症や薬剤性を除外すること。
脳神経障害
新規発症の感覚性または運動性の脳神経障害
ループス頭痛
重症の持続性頭痛;片頭痛様でもよいが、麻薬・麻酔に反応しないこと。
脳血管障害
新規発症の脳血管障害。動脈硬化性を除外のこと。
血管炎
潰瘍病変、壊疽、有痛性手指結節、爪囲の梗塞、線条出血、生検または動脈造影による血管炎の証明
関節炎
2関節以上の疼痛と炎症の所見(圧痛、腫脹または液貯留)
筋炎
近位筋の疼痛・筋力低下。CK/aldolase上昇か心電図変化か生検による筋炎の証明を伴うこと。
尿円柱
ヘム・顆粒状、あるいは赤血球円柱
血尿
RBC > 5/hpf。結石、感染、その他の原因を除外すること。
蛋白尿
蛋白尿>0.5g/24時間
膿尿
皮疹
炎症性の皮疹
脱毛
異常な、斑またはびまん性の脱毛
粘膜疹
口腔または鼻腔潰瘍
胸膜痛
胸膜摩擦音や胸水貯留・胸膜肥厚を伴う胸膜痛。
心膜炎
心膜由来の疼痛で以下の少なくとも一つを有すること。摩擦音、液貯留または心電図か心エコーによる確認。
低補体血症
CH50, C3, C4が検査の基準値の下限を下回ること。
DNA抗体上昇
Farr assayによるDNA抗体が正常上限を超えて上昇すること。
発熱
>38度。感染を除外すること。
血小板減少
<10万/μL。薬剤性を除外すること。
白血球減少
<3000/μL。薬剤性を除外すること。
ps; OriginalのSLEDAIは1992年に報告されました。SLEDAI-2KはOriginalをほんの少し変更したものです。
ps
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