リウマチ膠原病のQ&A

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MAINRITSAN=AAV維持療法におけるRTX vs AZP

(2016.6.29updated)

MAINRITSANはFrench Vasculitis Study GroupによるRCTです。

寛解導入後の維持療法として、Rituximab vs AZPを比較しました。

その結果、やはりRituximabが再発予防効果に優れていました。
 
 
Rituximab versus Azathioprine for Maintenance in ANCA-Associated Vasculitis
N Engl J Med 2014; 371:1771-1780
 
 
Background
シクロフォスファミドとステロイドの併用療法はANCA関連血管炎のほとんどの患者を寛解に導く。しかし、AZPMTXによる維持療法を行っても、再発率は高いままだ。Rituximab寛解維持に役立つかもしれない。
 
Methods
新規診断または再発性の多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、腎限局性のANCA関連血管炎の患者でシクロフォスファミドとステロイドのレジメンで寛解導入した後にRituximab 500mgを登録後Day 0, 14, Mo 6, 12, 18の時点で投与するか、Mo22までAZPを続けるかにランダムに割り付けた。28ヶ月の時点におけるPrimary end pointMajorな再発の割合(BVAS>0の疾患活動性の再出現または悪化を伴ったうえで、主要な臓器病変を来たすか、疾患に関連した生命を脅かすようなイベントを来たすか、両者か)
 
Results
115例の登録患者(GPA 87例、MPA 23例、腎限局性AAV5例)がAZP58例)かRituximab (57)を投与された。28ヶ月の時点で主要な再発はAZP17例(29%)、Rituximab 3例(5%)(再発のハザード比は6.61; 95%信頼区間, 1.56 to 27.96; P=0.002)。重症の副作用は二群で同等。各群25(P=0.92)が重症の有害事象; AZP 44例、Rituximab 45例。AZP8例、Rituximab 11例が重症感染症を来たし、AZP群の2例、Rituximab群の1例が癌になった。AZP群の2例が死亡(敗血症1例、膵臓癌1例)。
 
Conclusions
ANCA関連血管炎の患者においてRituximabAZPよりも多くの患者が28ヶ月の時点で持続的な寛解を有した。
 

Figure 2
患者はRTX500mgDays0, 14, 最初の投与から6, 12, 18ヶ月後に投与[])またはAZP (2mg/kg/dayを最初の0-12ヶ月、その後1.5mg/kg/day18ヶ月まで、1mg/kg/day22ヶ月まで[平行な灰色のバー])にランダム割り付けされた。
 
イメージ 1
 
 
Panel Aはランダム割り付け後のmajor relapseなしを維持する確率。AZP群におけるMajor relapseのハザード比はRTX群に比べ6.61 (95% CI, 1.56 to 27.96; P = 0.002).
 


イメージ 2
 
 
 
Panel Bはランダム割り付け後のmajor+minor relapseなしを維持する確率。AZP群におけるMajor+minor relapseのハザード比はRTX群に比べ3.53 (95% CI, 1.49 to 8.40; P = 0.01).


ps;Rituximabは寛解導入においても、内服CY(2mg/kg)による寛解導入よりも優れていましたよね。抗体病はCytotoxicからBiologicに変わりそうです。時代の流れを感じます。
RAVE-6ヶ月
RAVE-18ヶ月
 

 

ps;↓でEGPA診断に関するreviewを執筆させていただきました!

 


 

 

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