Retrospectiveですが、日本人の比較的規模の大きいデータです。こういうのがほしかったんです。
Efficacy of anti-ribosomal P protein antibody testing for diagnosis of systemic lupus erythematosus.
Hirohata S, et al
Mod Rheumatol. 2014 Nov;24(6):939-44.
Abstract
Objective.
抗リボゾーマルP蛋白抗体(anti-P)はSLE患者の一部に検出される。とくにループス精神病、ループス腎炎、ループス肝炎。しかし、anti-P検査がSLEに特異的なのかどうかについては分かっていない。
Method.
この研究はSLEの診断における血清anti-P検査の有効性を調べるためにデザインされた。多施設のretrospective研究がインフォームドコンセントが得られたSLE患者102例、SLEでないリウマチ性疾患102例、健常人100例を対象に行われた。anti-Pの特異度と感度を抗DNA抗体、抗Sm抗体、抗カルジオリピン抗体と比較した。
Results.
血清anti-PはSLE 患者102例のうち38例 (37.3%)、非SLEリウマチ性疾患102例中4例、健常人100例中0例で陽性であった。ROC曲線の解析によってanti-Pが抗SMや抗CLと比べてもより高いAUC (area under the curve)を有する事が分かった。それと同様、anti-Pの感度37.3%は抗Sm (27.5%)、抗CL (24.5%)よりも高かったが、抗DNA (51.0%)よりは低かった。一方、anti-Pの特異度 (96.1%)は抗CL (86.3%)よりも高く、抗DNA (96.1%) 、anti-Sm (96.1%)と同等であった。
Conclusion.
これらの結果はanti-P検査がSLEを診断する上で抗Sm、抗CL抗体よりもよい検査特性を提供する有効な検査法であるかもしれないことを示唆する。
ps
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