TNF阻害薬の登場によって、強直性脊椎炎(AS)の治療が満足できるものに変わりました。
関節リウマチの分類基準が治療の進歩によって改訂されたように、ASもより早期の病態でもって治療をはじめようと考えるのは妥当なことです。
この度ご紹介するのは、ASAS分類基準を満たすaxial SpAでX線変化がないもの(nonradiographic axial SpA)がASの早期病変とは言えないかもしれないことを提唱した論文です。
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Do Patients With Non-Radiographic Axial Spondylarthritis Differ From Patients With Ankylosing Spondylitis?
Arthritis Care Res (Hoboken) 2012;64(9):1415-22
Non-radiographic axial SpAの患者は強直性脊椎炎(AS)の患者と違うのか?
Objective.
・そのような変化がない患者はnonradiographic axial SpA (nr-axSpA)に分類される。
・両者の違いについてはよく分かっていない。
Methods.
・健康状態を評価するために標準的な臨床評価方法を用いた。
Results.
・ASは56例で診断され、nr-axSpAは44例だった。
・両群における有意な違いは性(男性の比率がAS 76.8% vs nr-axSpA 31.8%)。
・臨床上の変数はAS患者とnr-axSpA患者で差はなかった(Bath ASDAI, Bath ASFI, ASQOLQ, SF36において)。
Conclusion.
・Nr-axSpAは男性の割合が少なくASに比べると炎症の程度が低いことで特徴づけられた。
・両群とも健康状態、疾患活動性、身体機能における差はなかったが、炎症の程度では違いがあった;全てにおいてAS患者で高かった。
・Nr-axSpAの患者の多くが何年もの間構造的破壊を有していないため、私たちはこれらの患者はX線変化の出ていないAS患者とみなすべきでなく、むしろnr-ax SpAであるということを提唱する。
Table 1
Figure 1