1型クリオグロブリン血症について勉強していて、最近の報告を見つけました。
Pubmedで"Cryoglobulinemia"[Mesh]を検索したら、2517件。もっと絞ろうと思っていたら、3番目にType1に関するn=36の研究がありました。
ラッキー! もったいないのでAbstractだけでも訳しておきます。
Am J Hematol. 2014 Feb;89(2):156-61.
Long-term outcome of monoclonal (type 1) cryoglobulinemia.
Abstract
・この研究の目的は1型クリオグロブリン血症(CG)の長期的なアウトカムとそれを規定する因子を調べることである。レトロスペクティブコホート研究を二つのフランスの大学病院で行った。1型CGの患者はラボのデータベースを用いて特定した。Inclusion criteriaはクリオグロブリン血症の症状が持続的にあることとした。
・スクリーニングされた227例のうち、36例が登録された。
・皮膚または血管運動性の症状がもっともありふれた所見(75%)。
・腎症が20%、神経症が47%。
・根底にあるB細胞の疾患は非悪性のモノクローナルγグロブリン血症(NMMG)13例(36%)、血液系の悪性腫瘍23例(64%)。後者の内訳はワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)12例、low-grade の非ホジキン型リンパ腫 (NHL) 6例、多発性骨髄腫4例、慢性リンパ球性白血病1例。
・重症の病態は半数に見られ、IgG型の患者に多かった(82 vs. 30% ; P = 0.006)。
・最後のフォロー時において64%の患者が血液学的な異常を呈していなかった。強力な化学療法レジメンは主に非ホジキン型リンパ腫に用いられた。NMMG、WMまたは非ホジキン型リンパ腫の患者において、フルダラビンやリツキシマブベースのレジメンが良好な反応に寄与しているようだった。
・5年生存率は82%。
・多変量解析において死亡は高齢患者において有意に高く (HR: 1.17 per year [95% CI: 1.06-1.28], P = 0.001)、腎症のある患者においても有意に高かった(HR: 8.9 [95% CI: 1.9-43], P = 0.006). 腎疾患、感染症、Richter's transformation※、および二次的な悪性腫瘍が死亡率の重大な要素であった。
・リミテーションはあるが、このシリーズは1型CGに関して新たな情報を提供した。その管理のためにはさらなる研究が必要である。現在のところ、1型CGの治療のストラテジーは患者の特徴(年齢、併存疾患、根底のB細胞疾患)、治療ターゲットによって調整されるべきだ。
※Richter's transformation・・Richter's transformation from chronic lymphocytic leukemia/small lymphocytic lymphoma (CLL/SLL) to diffuse large B cell lymphoma (uptodate)
ps;
基礎疾患に血液疾患があるので、リウマトロジストが詳しくないわけです(笑)
ps;↓でEGPA診断に関するreviewを執筆させていただきました!
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