リウマチ膠原病のQ&A

日常診療で出会ったギモンに取り組んでいきます!

皮膚科医Carlsonによる皮膚血管炎のレビュー①

とある血管炎の講演で伺った論文です。↓のFigure 1が印象に残っていて、読んでみました。結構太いので、前半と後半の2回に分けてアップします。

 

(前半)

血管炎の分類

皮膚生検の役割

疫学と臨床所見

臨床と病理の関連

生検のタイミングと部位

血管炎の組織

 

(後半)

Incidental vasculitis、鑑別診断 (pseudovasculitis)など

https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/2020/07/03/000000 

 

 

The histological assessment of cutaneous vasculitis

J Andrew Carlson

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20055902/

 

 

Figure 1. 皮膚血管炎の組織学的分類

 

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皮膚血管炎の分類はまず侵される血管のサイズと皮膚と皮下組織の浸潤の程度による。一般にHSPとcutaneous leukocytoclastic angiitis (CLA)は皮膚の表層の血管を侵す。一方、皮膚PAN、結節状血管炎、巨細胞性動脈炎は深部の筋性血管を侵し、これは皮膚―皮下脂肪織の間または皮下組織のなかにある。クリオグロブリン性血管炎、膠原病血管炎ANCA関連血管炎のようなその他のタイプは小型血管と筋性動脈の両方を侵す(同じ生検組織に必ずしも存在していないかもしれないが)。皮膚生検の診断の寄与は生検の深さに大きく影響される。一般に皮下組織まで達するパンチ生検や切除生検が全ての血管を採取できるため好まれる方法である。(Am. J. Dermatopathol. 2005; 27; 504–528.)

 

 

(本文)

血管炎とは血管壁をターゲットとしその機能を脆弱化させ出血や梗塞を起こしうる炎症と定義される組織学的診断である。病因的に血管炎は原発性[特発性;例えばcutaneous leukocytoclastic angiitis (CLA), Wegener’s granulomatosis (WG), Churg–Strauss syndrome (CSS), microscopic polyangiitis (MPA)]、二次性[以下の一症状;connective tissue disease (CTD), infection, adverse drug eruption, or paraneoplastic phenomenon]、あるいは外傷性潰瘍やびまん性好中球炎症の後遺症である偶発的血管炎に分けられる。臨床的に皮膚血管炎は蕁麻疹、紫斑、出血嚢胞、潰瘍、結節、リベド、拘束、指趾の壊疽を含む多くの形態学的特徴を呈しうる。紫斑は全身性疾患、あるいはほとんどの場合self-limitingな1回のエピソード的現象すなわちCLA (hypersensitivity vasculitis)であるかもしれない。このレビューでは皮膚血管炎の組織学的スペクトラムを提示する。皮膚の組織学的パターンがどのように重要な臨床的鑑別診断のために使用されるのか、そしていつ臨床的、ラボ的な情報と合わせて血管炎症候群のより正確な診断を可能にするのかについて解説する。

 

 

Classification of vasculitis

現在のところ最も広く認識されている分類基準は病理基準に基づくCHCCの分類基準だ。他にも広く使用される基準として、主に臨床所見に基づくACR基準。両基準とも血管炎患者の群を比較するために作成されており、個々の患者における診断のための基準ではない。たとえばCHCCやACR基準を個々の患者に応用した場合、特異的な疾患や血管炎症候群の重複を認識することができないという欠点が明らかになる。たとえば全身性の血管炎、PANはCHCC基準によって稀な疾患になっているが、ACR基準では比較的コモン。ACR基準で過敏性血管炎と診断される患者もヘノッホ・シェーンライン紫斑病(HSP)と分類されえるし、もし全身性疾患のサインがあればCHCC基準でMPAと分類されることもある。そのため個々の患者を評価するためには、より有用なシェーマが必要。

 

 

The role of skin biopsy

診断に特徴的な臨床所見、画像所見、ラボ所見を有する血管炎はほとんどない;そのため自信をもって正確な診断をするためには組織学的な証明が必要だ。一方、血管炎の診断を生検だけで行うことはできない。特異的な診断を付けるには組織所見が病歴、診察、ラボ、血管造影と関連しているべき。たとえばlocalized cutaneous vasculitis限局性皮膚血管炎[CLAと略されることも。またの名をhypersensitivity vasculitis or leukocytoclastic vasculitis (LCV)ともいう]というためには血管炎の全身性所見がないことが必要になる。

もし全身性血管炎が存在するのであれば画像検査が疾患の範囲と活動性を決定するために有用な方法を提供しうる。CRP、ANCAやそのタイプといったserologyは疾患活動性をモニターするために使え、死亡リスクを予測しうる。ゆえに皮膚血管炎を特異的な症候群に分類するためには、形態学的に血管のサイズと主要な炎症反応を決定することが最善のアプローチとなる。

皮膚血管炎の評価において、正確な組織分類は特異的な血管炎症候群の再現性のある診断に到達する最初のステップである(Figures 1 & 2, Table 1)。たとえば皮膚血管を主に侵し、乳頭状のIgA沈着を示す好中球有意の小型血管炎はHSPに診断的である。一方、皮膚と皮下組織の好中球有意の小型血管炎でIgMの血管壁への沈着が主であればcryoglobulinaemic vasculitis (CV)クリオグロブリン血管炎やrheumatoid vasculitis (RV) リウマトイド血管炎を示唆するであろう。

 

 

Epidemiology and clinical features

Cutaneous vasculitis皮膚血管炎の発生率は100人年あたり15.4 to 29.7。全ての年齢に見られ、やや男性に少なく、子供よりも成人が多い。子供では90%がHSPである。cutaneous vasculitisのほぼ半数は、self-limitingであり、皮膚に限局し原因、triggerがはっきりせず、全身疾患を伴わない(idiopathic CLA)。皮膚限局性のcutaneous vasculitisの残りは最近の感染and/or薬剤と関連によるものたりえ、薬剤や感染症に続発するLCVという(過敏性血管炎やアレルギー性血管炎としても知られる)。しかし、CSS, MPA and WGのようなANCA関連原発性全身性血管炎(Primary systemic vasculitis; PSV)で最初に皮膚血管炎で発症するのはごく一部である。その他の患者ではcutaneous vasculitis皮膚血管炎は全身性血管炎の活動性亢進を反映する。SLEにおけるlupus vasculitis (LV)と同様。CTD、悪性腫瘍やHBVHCVのような感染症に続発する血管炎は稀;たとえばRAでRheumatoid vasculitisを呈するのは2.1%のみ。

 

成人では血管炎の発症年齢の平均は47歳。子供では7歳。薬剤や感染症のようなtriggerに暴露されて血管炎が発症するまでの期間は7-10日。全身疾患の症状やサインから二次性皮膚血管炎が発症するまでの期間は平均6ヶ月、数週から数か月である。cutaneous vasculitisには3つのパターンがある:

  1. 単発急性で、self-limitedのエピソード(6ヶ月以内で治まる)。典型的には薬剤や感染症のtrigger(全体の60%のケース)に関連する。
  2. 無症状期間を含む再発性の疾患で、通常HSPやクリオグロブリン血症にみられる(20%)。
  3. 慢性で寛解しない経過で、通常primary systemic vasculitis、膠原病関連血管炎(クリオグロブリン血症を含む)、悪性腫瘍にしばしば関連している(20%)。

 

 

Clinical pathological correlation

一般に全身症状は全ての皮膚血管炎症候群に同期する。これらの症状は発熱、倦怠感、体重減少、関節炎and/or関節痛。大多数で、血管炎病変は下肢に出現し、ほとんどは重力に関連した部位やきつい衣服を着用した部位に出現する。上肢、体幹、頭部、頚部は稀で、これらの部位にあればより重症であるか、併存する全身性血管炎を示唆する。皮膚病変のタイプは血管炎で侵されるサイズに緊密に関連している。斑な表層性血管周囲の核破砕物に関連した好中球浸潤と赤血球の漏出は蕁麻疹性丘疹とplaqueに至り、>24時間持続し、掻痒というよりも灼熱感を呈し、色素沈着を残して治まる。小さな、主に表層性血管は掻痒性斑や浸潤性の紅斑に至る。より深部の小型血管炎は触知する紫斑and/or小水疱水泡性の病変に関連する。潰瘍、結節、陥凹性瘢痕、網状皮斑は筋性動脈の血管炎に関連し、皮膚と皮下組織の間か、皮下組織にに存在する。

 

 

Figure 3. Stages of leukocytoclastic vasculitis (LCV). 

 

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(panel 1) 血管炎の組織学的所見は生検のタイミングによって異なる。LCVやurticarial vasculitis (UV)の早期病変はわずかな好中球性の炎症と核破砕物が後毛細血管の小静脈周囲にみられる。

(panels 2 & 3) LCVの成熟した病変では破綻した小型血管の周囲に豊富なフィブリン、核破砕物がみられる。

(panel 4) LCVの減弱する古い病変では血管壁の中と周囲にわずかな核破砕物とフィブリン沈着、より多数の単球浸潤、豊富な血管外漏出した赤血球がみられる.

 

 

Biopsy: timing, technique and choice of lesions 生検:そのタイミングと技術と部位の選択

臨床的な病変の選択と病理学的評価のタイプは皮膚生検の診断尤度に対して大きなインパクトがある。薄片生検、パンチ生検、切除生検の選択は度の血管を検査するのかという点に影響を与えるであろう。血管のタイプは皮膚、皮下組織の中の場所に依存するため。たとえば深ければ深いほど大きな血管が存在する。そのためもし皮膚PANのような中型血管炎が疑われるのであれば生検は中型血管が存在する皮下脂肪組織を含めなければならない。

一般に、もっとも疼痛があり発赤、掻痒がある皮膚病変からの皮下組織まで達する生検が有意な診断結果を得るための鍵となる。皮膚生検の理想的な時間は血管炎病変が出現してから48h以内。もし生検がタイミングが悪ければ、血管炎の病因的所見はないかもしれない。臨床所見からは血管炎が疑われる患者における陰性結果を解釈する時に考慮されるべき事実である。適切なステージにおけるパンチ生検はほとんどの小型血管炎症候群の組織学的確認を可能にするであろう。最初の24h以内の掻痒性病変は、血管壁への好中球浸潤、および出血と核破砕物を取り囲む血管壁内のフィブリン沈着によって特徴づけられる。24h後、好中球はリンパ球とマクロファージによってとってかわられ始める。このように48hより時間がたって生検された場合、血管炎のタイプによらずリンパ球優位となる(Figure 3)。livedo racemosaの原因を評価する場合、皮下組織まで及ぶ深部の生検組織が環状のlivedo segmentの中心部から取られるべき(末梢の赤い部分ではなく中心部の白い部分)。なぜならこの部位が末梢のチアノーゼを引き起こしている狭窄血管が存在する場所であるからだ。この状況において、局在性、区域性に存在する血管炎のフォーカスを見つけるために生検組織をサンプリングする間level sections(深切り切片のことか?)が必要となることが多い。また生検組織は潰瘍底によくみられるincidental vasculitisのため、潰瘍のない部位から採取した方がよいもし表層の潰瘍しか存在しない場合、潰瘍の端を生検することが望ましい。深部のケース、つまりパンチアウト潰瘍では、中心部の潰瘍部を含む皮下組織の生検が動脈血管炎の診断・検出への寄与を高める(例、PAN)。

最後に直接免疫染色法のための生検をし損ねる事はひょっとすると価値ある情報を選択する機会を失うことである;さらにIgAの血管沈着はHSPと成人のIgA血管炎の必須の所見である。HE染色と同様に診断的な免疫染色のパターンは生検された部位の古さには逆相関をする。免疫複合体の介在する血管炎の患者では生検の100%で最初の48hで免疫グロブリンを含み、48-72hでは70%で陽性となるであろう。72h以上では免疫グロブリンは検出できないであろう;しかし、補体は72hを過ぎても>50%で検出されうる。

 

 

Figure 4. Lymphocytic vasculitis. リンパ球性血管炎

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Herpes zoster感染後に起きた掻痒性の壊死性プラークの生検組織はリンパ球浸潤による小型血管の破綻、フィブリン沈着とわずかな核破砕物の沈着を示した。

 

 

Figure 5.                                              Figure 6. 

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(Figure 5) Vasculitis-associated endothelial damage 血管炎による内皮のダメージ。内皮ダメージのサインが早期病変でしばしば顕著となる。はっきりとした血管炎巣に隣接した領域において。このLCVの早期病変では軽度の内皮細胞肥厚・内皮の萎縮(apotosis、矢印)、内皮の腐肉形成(bracket)が顕著。

 

(Figure 6) Muscular vessel vasculitis 筋性血管の血管炎. リンパ球性の小動脈炎(矢印)と小静脈炎を示すループス血管炎: リンパ球が血管と静脈内皮 (endothelialitis)の両方の外膜・中膜に浸潤している.

 

 

Histological findings of vasculitis

免疫介在性(免疫複合体沈着)、トキシン介在性、感染症による直接的なものなど様々なタイプの障害が検出可能な血管壁の反応をもたらし、血管炎に診断的なフィブリノイド壊死という形態学的パターンとなりえる。これらの原因の全てに共通するのが好中球の活性化と異常な好中球浸潤である。その他の血管炎の形態学的なパターンにはリンパ球によるendarteritis動脈内膜炎、endarteritis obliterans of transplant vascular rejection移植血管拒否による閉塞性動脈内膜炎がある。これらは通常豊富なフィブリン沈着や内弾性板の消失を伴うような血管壁の破壊を伴わない。血管炎評価の組織学的なむつかしさに加え、血管炎が最初の損傷の特徴が修復過程で失われるというdynamicなプロセスであるという事実がある。この評価は恐らく最終的に共通する形態学的経路を表す。これには活動性の急性炎症性病変がより古いT細胞とマクロファージが優位で血管新生が虚血性障害を補うように発生し、しばしば硬化性病変に移行する状態がある。にもかかわらず炎症細胞の介在する血管ダメージのタイプと障害される血管の大きさは大まかに病因的メカニズムに関連する。

小型血管と中型・筋性血管の皮膚血管炎の診断は最初に生検とHE染色でなされる。Table 2に皮膚血管炎の診断基準のリストを示す。フィブリノイド壊死(血管壁内・周囲のフィブリン沈着)はほとんどすべての早期の血管炎に共通する組織学的特徴であり、破壊された血管壁にフィブリンに変換された凝固因子が含まれる血漿蛋白の集積によるものである。血管炎の診断は血管壁内や周囲に炎症細胞浸潤があってフィブリン沈着を伴っていれば明白になされる(Figure 4) 。これらの変化は通常、内皮の腫脹、萎縮(apotosis) and/or 泥状化のような内皮障害のサインを伴う(Figure 5)。筋性血管の中膜は炎症細胞の進出する部位ではないため、外膜・中膜の炎症細胞浸潤の所見や内皮の破壊(endothelialitis) は血管炎の事実上のサインとなる(Figure 6)。

 

 

Figure 7. Polyarteritis nodosa (PAN). 

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Neutrophilic muscular vessel vasculitis筋性血管の好中球性血管炎:

Stage 2, 亜急性(左の図)はフィブリン沈着による内膜リングで特徴づけられる

Stage 3, 回復期(右の図)では残った内膜リングが粘液状の線維内膜肥厚による血管内腔の閉塞に関連してみられる

 

 

Figure 8. Endarteritis obliterans. 閉塞性内膜動脈炎

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Churg–Strauss syndrome (CSS)の患者の同じ生検組織に見られた、無傷の内膜肥厚を伴う・伴わないendarteritis obliterans 内膜動脈炎の2例。左図 (elastic tissue stain) は瘢痕筋性血管炎の治癒巣を示す;弾性版の消失と内膜に置き換わり内腔を閉塞する比較的無細胞性の瘢痕。右図は治癒した血管炎に連続した血管部位を示す。屈折性の内弾性板と線維内膜の肥厚で閉塞した動脈の孔。外膜はリンパ球浸潤に乏しく、中膜・内膜の両方にわずかに存在することにも注意。

 

 

最近は筋性血管の好中球性血管炎、皮膚型PANの発生は4つのステージに分けられている。

(i) 急性期のステージでは内皮障害と好中球浸潤を伴うフィブリン血栓が見られる。明らかな内弾性板の破壊や中膜のフィブリノイド壊死は見られない。

(ii) 次の亜急性期のステージでは好中球、マクロファージ、リンパ球の混在性の浸潤が内膜をターゲットとするフィブリノイド壊死とともにみられ、内弾性板の破壊を伴い内膜に炎症が及ぶ。

(iii) 回復期では内膜の線維性肥厚とマクロファージとリンパ球優位の浸潤を伴う血管周囲の血管新生がみられる。

(iv) 最終の治癒期では炎症はわずかとなり、血管内腔の線維性の内膜閉塞(endarteritis obliterans)がみられる (Figure 7)

この最後のステージにおいて典型的には内弾性板が消失したはっきりとした領域が見られる。この炎症を伴わず無細胞性の瘢痕組織を伴う内弾性板消失の所見は筋性血管炎が治癒期に入っていることを示唆するものである。閉塞性動脈内膜炎(フィブリン内膜狭窄や閉塞)が無傷な弾性版とともに存在する場合は鑑別は多岐にわたる。すなわちリンパ球タイプの血管炎、動脈硬化や糖尿病、高血圧症、放射線、毒素曝露、血栓症、塞栓症がこの所見を呈する(Figure 8)。筋性血管炎の治癒病変には血管壁の炎症が持続する場合、進行性の弾性版狭窄や動脈瘤形成が関連しうる。上述のほとんどの組織学的変化は比較的急な経過で起き、数日、数週間、週ヶ月かかることもある。しかし中には血管炎による閉塞性動脈内膜炎のなかには内腔の狭窄や閉塞が年の経過で起きたと疑われるケースもある。この緩徐進行性の破壊のステージでは虚血性神経皮膚疾患のSneddon’s syndromeの自然歴を調査することで記録される。最初にリンパ球性の内膜内皮炎(内膜動脈炎)が顕著となり、単球、フィブリン、赤血球からなるスポンジ様プラグの形成が起きる。ついで部分的に完全な閉塞に至る。血管周囲性のリンパ組織球性(非好中球性)炎症細胞浸潤が障害された血管の周囲に出現し、閉塞血管の外膜における毛細血管拡張がこれに続く(すなわち血管新生)。平滑筋が内皮下領域に浸潤、増殖し、中間ステージの間、閉塞プラグを形成する。最終的なステージは閉塞血管の線維化、縮小、萎縮によって特徴づけられる。

血管ダメージが推測されうる二次性の変化には赤血球の血管外漏出(紫斑)、壊死(梗塞)、炎症による血管閉塞や破棄によって生じる虚血に関連した潰瘍が含まれる。これらの変化はしばしば静脈閉塞疾患で見られるため、血管炎に特異的とは言えない(Figure 9)。その他の間接的な血管壁ダメージ、すなわち血管炎の証拠としてフィブリン沈着を伴わない血管周囲の核の断片(白血球破砕物)があり、LCVや蕁麻疹様血管炎(UV)の早期病変で見られる(Figures 3 and 10);同心のいわゆる玉ねぎスライス状、あるいは花むしろパターン、薄板状パターンの線維化が皮膚LCVの慢性限局型に見られる(例えば顔面肉芽腫、持久性隆起性紅斑、炎症性偽腫瘍)。ウェゲナー肉芽腫症でも見られることがある(Figure 11);外膜の血管新生はPANやGCAのような中型血管における成熟した顕著な所見であり、より古い所見である(Figure 12)。

Reactive angioendotheliomatosis反応性の血管内皮リンパ腫は血管新生の範疇に入り、PANや静脈閉塞疾患のような中型血管の血管炎において二次的にみられることがある。皮膚の毛細血管のびまん性あるいは小葉の増殖で特徴づけられ、しばしばfibrin microthrombiフィブリンによる微小血栓、reactive, fasciitis-like dermal alterations反応性の筋膜炎様の皮膚変化、foci of epithelioid endothelium類上皮内皮のfocusを含む(Figure 13)。皮膚型PANに合併する皮斑様パターンやアトピーの枝状パターンが反応性の血管内皮リンパ腫の亜型を表すかもしれない。

 

 

ps

EGPAの病歴・身体所見のreview


 

 

 

GCAのreview