1996年のFFSが13年ぶりに改訂されました。それについても触れておきましょう。
Definitions
スコアのパラメーターは以下のように定義する。
・腎不全;ピーク時のCr≥1.70 mg/dL
・心不全;肺水腫のような臨床症状がある場合のみとする。BNPのような生物パラメーター(ほとんどの患者で測定されていない)の上昇のみであれば除外。臨床症状を伴わない心エコー異常やその他の検査異常は心不全とは考えない。
・重症の消化器症状のみ;腸管穿孔、出血、膵炎。虫垂炎や胆嚢炎が単一の発症をした場合、組織学的に偶然見つかった場合はカウントしない。
※スコアを構成する臨床症状は血管炎の活動性が直接原因となったものとする。例えば、心不全が既存の高血圧に依存する場合や消化管出血が薬剤性である場合、それらの症状はスコアにはカウントされない。
Patients and methods
対象は、French vasculitis study groupまたはEuropean vasuclitis study groupの前向き臨床試験に参加したorコホートに登録された1108例です。
PAN349例(平均年齢52歳)、MPA218例(61歳)、CSS230例(50歳)、WG311例(53歳)で、この度の解析では死亡率はMPAが最も不良でした(5年生存率MPA27.5%>PAN24.6%、CSS13.9%、WG13.2%;p<0.001)。
2009 FFSにおいても、1996 FFSと同様に、多様な変数を候補に5年後の死亡を予測するかを調べました。単変量解析にてp<0.10を示した変数を多変量解析に入れ、p<0.05を有意としました。
Results
その結果、以下の5変数が有意に死亡を予測するとされました。
TABLE 2.
Results of the Multivariable Analysis
Parameter
|
Patients With
|
Hazard Ratio
|
P
|
Manifestation
|
|||
No. (%)
|
(95% CI)
|
||
Age >65 yr
|
3.3 (2.5-4.5)
|
0.001
|
|
ENT manifestations
|
447 (40.3)
|
0.5 (0.38-0.78)
|
0.001
|
Cardiac manifestations
|
244 (22.0)
|
1.5 (1.1-1.8)
|
0.02
|
GI tract involvement
|
285 (25.7)
|
1.5 (1.1-1.9)
|
0.01
|
Renal insufficiency
(peak Cr ≥1.70 mg/dL)
|
218 (19.7)
|
1.5 (1.2-2.3)
|
0.02
|
1996 FFSにおける蛋白尿、CNS症状は有意な予後不良因子ではありませんでした。ENTの症状はHRを下げましたので、ENTがないことが+1でカウントされます。ただし、これはCSSとWGにおいてのみ言えることだったので、MPA、PANではこの因子を除くFour factor scoreということになります。
これらの因子を疾患別に検討したところ、Table 3のようになりました。
(つぎの日記に続く)
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