リウマチ膠原病のQ&A

日常診療で出会ったギモンに取り組んでいきます!

2023/2/17、IXEの講演会でした

2023/2/17、IXEの講演会でした。ついつい不勉強なPsAの復習(+自習)をまとめておきます。

 

・1本の指、Ray現象という。

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/PsAgl2019.pdf

 

・PsAの末梢はcsDMRDsの4割はcsDMRDsでいける。皮膚科でもMTXが使いやすい。CyAは皮膚に(掻痒に)良く効くが、内臓のAEs多い。PDE4iは内臓のAEs少ない(稀に肝障害)。皮膚科での継続率はPDE4iの方がCyAよりも高い傾向(p=0.10)。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36786158/

 

・イキセキズマブ(IXE)はヒト化(トシリズマブ同様、-ズマブだから)、セクキヌマブ(SEC)はヒト型の抗IL-17A抗体。ブロダルマブはヒト型の抗IL-17受容体A抗体。

 

・SPIRIT-H2H試験でbionaiveのPsAをIXE283vsADA283に割り付けたところ、Wk52のACR50+PASI100 (39% vs 26%, p<0.001), PASI100 (64% vs 41%, p<0.001)と各ARR=13%、23%。ACR50は同等(49.8% vs 49.8%, p=0.924), enthesitis、dactylitis も同等。IXEによる改善は単剤でも同様で、Wk52のACR50+PASI100 (38% vs 19%, p=0.007)、PASI100のみ(66% vs 35%, p<0.001)。IXEのAEとして口腔カンジダに注意(2.5%vs1.1%)

https://ard.bmj.com/content/annrheumdis/79/10/1310.full.pdf

 

・有意な皮疹があればIL17阻害薬が好まれるかもしれない。

https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/2022/10/07/125056

 

・ただし、関節炎の強いのはTNFiがよいか(ムチランス型とか)。あとIL23阻害(GUS、RIS)もPsAには継続率が高い(↓)

 

・西日本のレジストリで継続率を調査;Bioの継続率は全体的にみればTNFiの中(IFX vs ADA)、IL17のなか(SEC, IXE, BRO)で有意差はなし(Fig 2)。PsV(non-arthritis)がPsAよりも継続率が総じて高かったが(Fig 7-8)、グセルクマブ(GUS)ではこの関係が逆転しPsAで高かった(Fig 8g、p=0.16)。PsVの薬剤間ではIXEの継続率が高かったがPsAではGUS、RISが高かった。ただし、まだコホートが若く第2報の結果にも期待

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36786158/

 

・リサンキズマブRIS(ヒト化抗IL-23p19抗体)、GUS(ヒト型抗IL-23p19抗体)は実は、IL17A抗体でいうIXEとSECの関係と同じ。RISは今のところ継続率が高いが、これも第2報に期待。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36786158/

 

・Psoriasis(PsAは除外していないがPsVが主体と考えられる)におけるnetwork metaanalysisでは、PASI90-100はRIS、BROが強く、次いでIXE、GUSと続く。ADA、UST(ウステキヌマブ)は低い。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32600737/

 

※薬の整理

IL17A阻害

セクキヌマブ(ヒト化抗IL17A monoclonal抗体);コセンティクス

 

イキセキズマブ(ヒト型抗IL17A monoclonal抗体);トルツ

 

ブロダルマブ(ヒト型抗IL17A受容体monoclonal抗体);ルミセフ

 

IL-23p19阻害

グセルクマブ(ヒト化抗IL-23p19 monoclonal抗体);トレムフィア

 

リサンキズマブ(ヒト型抗IL-23p19 monoclonal抗体);スキリージ

 

IL12/23阻害

ウステキヌマブ(ヒト型抗ヒトIL-12/23p40 monoclonal抗体);ステラーラ