Optic neuropathyが紹介されてきたのですが、鑑別が思い浮かびません。
UptodateでOptic neuropathyの原因について勉強をしています。
<Uptodateのつづき>
Table 3
Drug reactions (direct effect on the optic nerve)・・・
・抗生剤・・・Clioquinol、Chloramphenicol、ダプソン、エサンブトール、イソニアジド、Iodochlorhydroxyquinoline、リネゾリド
・免疫調整剤、免疫抑制剤・・・シクロスポリン、タクロリムス、αインターフェロン2b、抗癌化学療法、5FU、シスプラチン、カルボプラチン、Nitrosureas: BCNU(carmustine), CCNU (lomustine), and methyl-CCN (semustine)、パクリタキセル、ビンクリスtン
・その他・・・アミオダロン、Chlorpropamide、Benoxaprofen、シメチジン、Disulfiram、Melatonin、sertraline hydrochloride (Zoloft)、高タンパク食
Drug reactions (indirect effect on the optic nerve) ・・・シルデナフィル (バイアグラ)、インフリキシマブ
トキシン暴露の多くのケースにおいて視力障害は重症で、永続的。薬剤の副作用として、視力障害を経験した患者は視力障害が早期に分かって、薬剤を中止できれば後遺症は少なくなりうる。これらの薬剤のほとんどは視神経に対して直接的な中毒性の効果を有すると信じられている。これらの中でも、エサンブトールは恐らく最もよく特徴づけられている。
その他の薬剤はその他の機序を介して間接的に視神経に作用すると信じられている。
●infliximabは自己免疫性の視神経炎を起こすと信じられている。
●グリア芽腫に対してbevacizumabで治療された患者において重症の視神経障害のケースが2009年の報告でサマライズされている。機序は分かっていないが、血管の問題、薬剤の放射線に対する感受性の増加、直接的な作用が可能性としてはある。
●勃起不全に処方されるシルデナフィルとその他の薬剤が非動脈炎性虚血性視神経症 (NAION)を起こすことが報告されている。関連性は分かっていないが、発症と時期的に近い薬剤投与より原因であることを示唆する。
●アミオダロンの視神経症への関連はControversial。いくつかのケースはNAIONと区別がつかないようだ。その他に、より緩徐に発症し進行し、両側同時の視神経症の症例報告が複数あり、より直接的な中毒性作用を示唆する。
Nutritional deficiencies — 戦時中の捕虜のような状況下において栄養不足が流行性の視神経障害の役割を有したことが予測された(例、199年台のキューバ、第二次世界大戦中の東南アジア)。特異的なビタミンB12、B1と葉酸の欠乏が原因として示唆されている。ほとんどの栄養障害による視神経症はタバコによって悪化するようだ。恐らくアルコール依存症によっても。視力障害は片側性でも両側性でもありえ、急性、亜急性、または緩徐進行性でもよい。MRIは典型的には正常。早期のビタミン補充and/or禁煙がanecdotalには視力の回復に関連したが、確かなこととは言えない。
<まとめ>
・前部(視神経乳頭)と後部(球後)に分類され、おのおの原因として動脈炎性虚血性視神経症(AION)vs非動脈炎性視神経症(NAION)がある。前部の障害はいずれもあるが、球後の場合は動脈炎によるものが多い。
・非動脈炎性虚血性視神経症(NAION)は虚血性視神経症の最もコモンな型。視神経頭を栄養する球後毛様体動脈の動脈硬化により、通常50歳以上、高血圧、糖尿病あり。急性、単眼性、無痛性が特徴。視神経乳頭の浮腫を伴う。NAION例において反対眼の発症リスクは5年で14.7%;数ヶ月から数年のインターバルがあり、両眼の障害は動脈炎を強く示唆する。
・リウマチ性疾患の候補としては、SLE、Sjogren、ウェゲナー肉芽腫症、ベーチェット、炎症性腸疾患。Paraneoplasticであることもあるし、薬剤性のこともある。特殊な状況として、遺伝性、腫瘍による圧迫性、栄養障害、放射線治療、外傷。
<Scenario caseの経過>
前部の虚血性視神経症の原因の候補としては、動脈炎(側頭動脈炎)、非動脈炎性(糖尿病)のいずれもあり得るようだ。
SLE、Sjogren、ウェゲナー肉芽腫症を示唆する臨床症状に乏しかったが、関連する血清学的検査を測定することにした。側頭動脈炎、悪性腫瘍のチェックのため造影CTを追加した。側頭動脈生検を計画した。
疑わしい薬剤の投与歴はなく、上述の特殊な状況にも該当しなかった。
ps; 日本眼科学会のものも参考になりました。抗アクアポリン4抗体(抗NMO-IgG)も測定しました。