リウマチ膠原病のQ&A

日常診療で出会ったギモンに取り組んでいきます!

パルボウイルス感染症のアウトブレイク

パルボウイルスB19感染症は成人に関節炎・皮疹、小児に伝染性紅斑を起こし、数年おきに流行します。
 
2015年、流行の兆しがあるようです。
 
1相はインフルエンザ様の症状(頭痛、高熱)、約1週間後にやってくる第2相で関節炎・皮疹が出現します。
 
単一施設において5年9ヶ月の間に発生したパルボウイルスB19感染症を後ろ向きに調べた観察研究です。
 
Clinicalfindings in parvovirus B19 infection in 30 adult patients in Kyoto.
Mod Rheumatol. 2011 Feb;21(1):24-31.
 
 
一流のGeneralistsの診療録をまとめた時間は、リウマトロジストの宝物です。
 
さて、その中から、アウトブレイクに関する内容をご紹介します。
 
若気のいたりで京都のお役所に電話をして、定点観測のデータをいただいたことが懐かしいです。
 
成人の発生が小児の伝染性紅斑の発生に少し遅れているように見えて面白いでしょ?
 
 
 
Outbreak
 
PB19感染症30例において抗体測定日を評価した。
 
この研究のために、アウトブレイクの定義を月に2例以上の発生とした。
 
この基準を満たしたのは20065-10月、20071月であったので、この時期の発生をアウトブレイクとした。
 
患者30例のうち22例(73.3%)が研究期間の10.1%に過ぎないこの7カ月に集中していた。
 
京都の小児科41施設における定点観測が京都の衛生環境研究所より提供されており、小児の伝染性紅斑のアウトブレイクは本研究で用いた月2例以上の定義を用いると、2006.4-6月と20071月に見られた。
 
Figure 1に示すように、成人の発生状況と関連しているように見えた。
 
 
イメージ 1
 
Figure 1
洛和会音羽病院京都市山科区)にて診療した成人のPB19感染症30例の発生数(例/月)、
および京都市の定点観測、小児科41施設における伝染性紅斑の平均発生数(例/月)との比較

 

ps;↓SLEについて執筆しております!

 

ps;↓執筆協力しております!