2012年にシェーグレン症候群のACR基準が発表されました。
近年、RA、PMR、SScと新しい分類基準が発表されています。
これらの基準は正当な方法論に基づいて作成されていることを述べた論文をもって紹介されますが、少なくともリウマトロジストはその方法論をまったく理解していません。
長いものには巻かれろ、とひたすら訳しているにすぎません(笑)
簡単にいえば、Sjogren症候群に関連する3所見のうち2つがあれば分類しましょうということです。日本の診断基準と似ていますが、簡略でよいと思います。
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American College of Rheumatology Classification Criteria for Sjo¨gren’s Syndrome: A Data-Driven, Expert Consensus Approach in the Sjo¨gren’s International Collaborative Clinical Alliance Cohort
Objective.
私たちはシェーグレン症候群(SS)の新たな分類基準を提案する。治療法として可能性がある生物製剤の登場とSSが関連する合併症を考慮し、新たな基準が必要とされているからだ。
Methods.
基準はnominal group technique(※)を用いて誘発されたexpert opinionに基づき、SS国際協力臨床アライアンスのデータの解析に基づいている。予備的な基準の妥当化のために、American–European Consensus Group (AECG)基準を基づく分類と比較をした。この基準を、診断検査の範囲のデータについての潜在クラス分析(※)によって得られたモデルベースの”ゴールドスタンダード”として。また、基準を作成するのに使ったポピュレーションとは異なる症例とコントロールとの比較を行った。
Results.
妥当性の評価ではこの基準の高い感度と特異性を示した。症例の定義は以下の3つの基準のうち少なくとも2つを満たすこととした。
2) 眼球の染色スコア3点以上
3) 小唾液腺生検組織においてfocus score >1 focus/4 mm2の局所のリンパ球性唾液腺炎があること
これらが全ての他覚的な検査を用いて使用されれば、AECG基準の賛成の結果は高かった。しかし、他覚的検査の代わりに症状を用いることを許容した場合、AECG基準はこの度提案した基準とLCAに基づく基準との一致率は低かった。
Conclusion.
これらの分類基準は標準化された項目を用いて集められたregistryデータより作成されており、他覚的検査に基づいた基準である。妥当性の評価によって、この基準の検査特性は他の基準と比べ良いことを示唆した。その結果、誤診によって健康を害しうる臨床状況において、この基準の応用がより適切なものとなった。
(※)論文の中には引用がありました。基準を作るときの王道のようなものを使って、ちゃんと作っています、と言いたいのではないかと思っています。
nominal group technique・・コンセンサスを得るための方法のようです。
latent class analysis・・潜在クラス分析
Figure 1