リウマチ膠原病のQ&A

日常診療で出会ったギモンに取り組んでいきます!

医療統計・臨床研究のモチベーションを維持するための良書

 統計手法を説いた良書6冊(EZR3冊、R3冊)を紹介させていただきました。

 

EZR

https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/2020/05/15/233811

 

R

https://oiwarheumatology.hatenablog.com/entry/2020/07/24/000000

 

しかし、独学で統計を勉強し研究を続けるためには強いモチベーションがどうしても必要になってきます。何度も何度も挫折しますので(笑)

 

この度は医療統計の勉強や臨床研究を続けるにあたって、リウマトロジストを駆り立ててくれた本をご紹介したいと思います。

 

 

①できる!臨床研究 最短攻略50の鉄則 (おススメ度★★★)

 

 

 

臨床研究を行う前に読んでおきたい本です。↓勉強になった点

・知的好奇心で臨床研究を行うべきではない。ノイエスを追求すること。

・論文をいつ書き始めるか?→プロトコールを書き終えて、データを取りに行く前から書き始める(IntroductionとMethodsは書けるはず)。

・多変量回帰分析における独立変数の選択→総当たり法やステップワイズ法のような統計ソフトにお任せのような解析法はダメ。できるだけ先行研究からアウトカムとの関連があると判断できる因子をできるだけ多く選択すること。単変量回帰との合わせ技(例、p<0.2を示した変数を選択する)については過去の研究でアウトカムとの関連が分かっていない場合にかぎって行うべき。

ROC曲線の解説、分かりやすかったです。

 

 

②必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則 (おススメ度★★★)

 

 

 

医学の進歩のために論文を書くという、崇高な著者の考えに魅了されます。そんな著者のペーパーワークのテクニックを惜しみなく紹介されています。以下、リウマトロジストが感銘を受けたヶ所のごく一部を列挙します。

・fool-proof English(誤りのない無難な英語)に徹すること。

・Methodsに書かれている順に、対応するResultsを書くこと。

・p値の記述のルール

・Discussionの書き方;One paragraph, one topic.

・Revisionについて;細心の注意と最大限の努力を惜しまないように。ぐうの音も出ないような完璧なRevisionを目指そう。

 

この本で、著者のファンになってしまい、以降出版された書籍はほとんど購入して読んでいます。その中でも、①と②は大変役立ちましたので、ご紹介させていただきました。

 

 

③実践対談編 臨床研究立ち上げから英語論文発表まで最速最短で行うための極意 (すべての臨床医そして指導医にも捧ぐ超現場型の臨床研究体験書)  (おススメ度★★)

 

 

 

おもしろすぎて、1日で読了しました。きわどい話題もあって、楽しめながら一気に読める本です(笑)。以下勉強になった点。

・introductionでその論文の9割が決まる。Introductionに布石をちりばめておく。

・論文を書ける人ほどを統計手法にこだわっていない。

・Reviseで修正困難な要求をつきつけられたら、一旦認めて、判断をEditorになげる

 

 

④医学論文執筆のための臨床研究と医療統計(おススメ度 ★★)

 

 

 

アニメも多く、読破を目指しても良いのかもしれません。辞書として使っていますが、役立っています。

 

 

➄医学文献ユーザーズガイド(おススメ度 ★★)

 

 

 

第2版を購入しました。困った時に辞書的に使って機能しています。高いだけあって、解説がくわしいです。

 

 

⑥論文を正しく読み書くためのやさしい統計学(おススメ度 ★★)

  

 

読破型として作られたようですが、辞書的にも使えました。オッズ比、ハザード、ハザード比の説明などは詳しくて良かったです。

 

(番外編) 

医療系研究論文の読み方・まとめ方――論文のPECOから正しい統計的判断まで(おススメ度 ★)

 

 

 

かなり初学者を対象とされていると思います。少し勉強していたせいか、解説が十分でないと思った箇所が多かったです。

 

 

医学的研究のデザイン(おススメ度 ★)

 

 

 リウマトロジストが持っているのは第3版です。辞書的に使うことを想定していましたが、解説が不十分なところが多かった印象が残っています。

 

 

医学的研究のための多変量解析(おススメ度 ★)

 

 

 

辞書的に使うことを想定していましたが、、、上に同じく