コセンティクスR、SecukinumabのPsAに対するRCT (FUTURE1)を読みます。
Secukinumab Inhibition of Interleukin-17Ain Patients with Psoriatic Arthritis.
Mease PJ, et al.
N Engl J Med 2015;373(14):1329-39.
Abstract
BACKGROUND:
第2相試験においてIL-17A受容体の阻害はPsAのサインと症状を改善させた。私たちは抗IL17Aモノクローナル抗体であるSecukinumabの効果と安全性を評価しようと努力した。
METHODS:
この第3相二重盲検試験において606例のPsAを無作為に以下のレジメンに1:1:1の割合で割り付けた。10 mg/kg at weeks 0, 2, 4, followed by sc secukinumab at a dose ofeither 150 mg/4w or 75 mg/4w, or placebo. プラセボ群の患者は16週時または24週時に改善度に応じてsc secukinumab at a dose of 150mg or 75 mgに割り付けられた。Primary end pointは24wk時のACR20改善度。これはベースラインのTJCとSJCと少なくとも3つの重要なドメインで定義される。
RESULTS:
24週時のACR20改善度はsecukinumab 150 mg (50.0%) and 75 mg (50.5%)において、プラセボ(17.3%)に比べて有意に高かった(ともにP<0.001)。Secondary end pointsであるACR50改善度と関節の構造的破壊はsecukinumab群でプラセボよりも有意に良好であった。改善は52週間持続した。カンジダを含む感染症はSecukinumab群で多かった。試験の全期間 (Sec平均曝露438.5日、プラセボ曝露128.5日)においてSec群の4例がstroke (0.6/100 PY; 95% CI, 0.2-1.5)、2例が心筋梗塞 (0.3/100 PY; 95% CI, 0.0-1.0)になった。プラセボではzeroであったが。
CONCLUSIONS:
SecはPsA患者においてplaceboよりも有効であった。この結果はIL17Aを治療ターゲットとすることを正当化するものだ。感染症がSec群でプラセボよりも多かった。この研究は稀な重症AEsや長期使用時のリスクを評価するほど大きくなかった。
(Funded by Novartis Pharma; ClinicalTrials.govnumber, NCT01392326.).
<批判的吟味>
1.論文のPICOは何か?
P: CASPAR基準を満たす18歳以上の患者。NSAIDs、DMARDs、TNF-iの投与にも関わらずSJC≧3、TJC≧3を満たすこと。ステロイドの併用(PSN10mg以下)、MTX (≤25 mg/w)は投与量が同じであれば許容された。過去にTNF阻害療法を受けた患者は効果不十分か副作用中止であること。TNF-iを受けた患者ではrandomization前に4-10wksのwashoutを要する。
Key exclusion criteriaにはTNF-i以外の生物製剤、TNF-i≧3剤、PsA以外の活動性炎症性疾患、randomizationの2週感以内の活動性感染症、現在進行性、慢性、または再発性の感染症の病歴。付随的な情報はSupplementaryAppendixで入手できる。
I:Sec群の患者は10mg/kgの静注をbaselineとw2、w4に受け、その後Sec皮下注を150mg/4wkまたは75mg/4wkで継続された。
C:プラセボ群の患者は同様の静注から皮下注の投与計画に従って治療された。16wにグループの割り付けを知らされていない調査者は全ての患者を改善または無反応に分類した。改善はTJCとSJCのベースラインからの20%改善と定義した。プラセボ群の患者は二度目のrandomizationを受け、1:1の割合でSec皮下注150mg/4wkまたは75mg/4wkを受けた。16w時では無反応と分類された患者において開始され、24wでは改善と分類されていた患者に開始された。有効性の解析ではプラセボの時期は16wに実薬にスイッチした患者を含んで、24wまでのデータを含んだ。安全性の解析においては、プラセボの時期は患者が最初に割り付けられた治療を受けた16週までのデータを含んだ。
O:The primaryobjectiveは16週時、24週時のACR20改善を満たす患者の割合。ACR20はベースラインのTJC (78関節の評価※)、SJC (76関節)に基づき、加えて以下の5つのドメインのうち3つを満たすこと: 患者の全般評価、医師の全般評価、患者の疼痛評価 (以上3つは0から100のVASを用いる); 身体機能障害 (高いほど身体機能障害を表す0から3のスコアによるHAQ-DIで表す); および急性期反応物質(CRP or ESR)。
※78関節とはRAの68関節に加え、母指CM (2)、足趾のDIP (8)を含みます(Supplementaryのprotocolより)。
2.ランダム割付けされているか?
■ランダム( 中央割付け )
隠蔽化は不明
・2011.2/29-2012.10/1の間、私たちはこの多施設DBRCTを北米、南米、欧州、中東、オーストラリアとアジアの104施設で行った。Randomizationは過去のTNF阻害薬において層別化された。過去のTNF阻害療法を受けていない患者が約70%になるようにした。
・対象患者は4週間のスクリーニング期間中にウェブ上の音声自動応答システムによって二つのSec投与量の群またはプラセボ群に1:1:1の割合でランダムに割り付けられた。
3.Baselineは同等か?
■差がない;結果に影響を与える可能性のある因子は検討されている
4.全ての患者の転帰がOutcomeに反映されているか?
4-1.ITT解析か?
4-2.結果に影響を及ぼすほどの脱落があるか?
→ITT解析・脱落については不明ではあるが、Non-responderimputationなので問題ないと考えます。
5.マスキング(盲検化)されているか?
二重盲検以上の記載はないが、おそらく患者と治療実施者の盲検化と思われます。
6.症例数は十分か?
■結果に有意差がある →症例数は十分 →サンプルサイズは?●計算されている
7.結果の評価; Sec 150 mg vsplacebo
□時間軸に垂直な指標
追跡期間=( 24wks )
介入群の発生率=a/(a+b)=101/202=50%==EER
対照群の発生率=c/(c+d)=35/202= 17.3%=CER
RR=EER/CER=( 2.9 )
RRR=1-RR=( -1.88 )
ARR=CER-EER=( -32.7 )→EER-CER=32.7%
NNT=1/ARR=( 3.05 )→150mgならNNT@24wk=4
つづきは②/2へ