プライマリケアの現場で、強皮症をどのようにスクリーニングしたらよいのでしょうか。
強皮症の早期診断に役立つと思われる臨床所見があります。
Round fingerpad sign
おそらく、日本の皮膚科医が最初に報告して以降、追試が行われていないのではないかと思います。
皮膚科医やリウマチ専門医には手指の皮膚硬化を判断することは難しくないかもしれませんが、
地域医療の先生方には役立つフィジカルだと思うので、まとめておきます。
J Am Acad Dermatol 1991;24(1):67-9.
Mizutani H, et al.
Abstract
私たちは強皮症で見られる臨床的な皮膚所見、round fingerpad signについて述べる。この用語は指腹の輪郭のピークが消失し、指先の輪郭が半球様になるというもの;この変化はとくに環指に見られる。Round fingerpad sign陽性は強皮症患者36例の環指72のうち72、MCTD患者の環指72のうち69に見られ、レイノー現象と手指の皮膚硬化を有する患者では24の環指のうち24に見られた。反対に健常な女性(コントロール)では240の環指のうち240に見られた。この高い感度は特筆すべきである。Round fingerpad陽性は典型的な強皮症患者にのみ見られるのではなく、より皮膚硬化が少ないMCTDやレイノー現象と手指の皮膚硬化の診呈する患者でも見られる。このサインは強皮症の早期診断のために役立つ新しい臨床マーカーである。