リウマチ膠原病のQ&A

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TNF阻害薬で重症感染症のHR1.1-1.8、メラノーマのHR1.5

Safety of synthetic and biological DMARDs: a systematic literature review informing the 2013 update of the EULAR recommendations for management of rheumatoid arthritis.
Ann Rheum Dis. 2014 Mar;73(3):529-35.
 
Abstract
OBJECTIVES:
RAの管理のためのEULAR recommendationに関して情報提供をするため、合成DMARDsステロイド、生物学的DMARDsの安全性のエビデンスをアップデートすること。
 
METHODS:
レジストリーを含む観察研究の系統的文献レビュー。
・治療介入は任意のbDMARD (anakinra, infliximab, etanercept, adalimumab, rituximab, abatacept, tocilizumab, golimumab or certolizumab pegol)、またはsDMARD (methotrexate, leflunomide, hydroxychloroquine, sulfasalazine, gold/auranofin, azathioprine, chlorambucil, chloroquine, cyclosporin, cyclophosphamide, mycophenolate, minocycline, penicillamine, tacrolimus or tofacitinib)であり、比較のあるものとした。
ステロイドに関する情報もそれらの試験から集められた。
・全ての安全性に関するアウトカムを含んだ。
 
RESULTS:
bDMARDsに関する多彩な安全性アウトカムに向けた49の観察研究が適格基準を満たした。
・実質的な不均一性が任意のアウトカムのメタ解析を不可能にした。TNF阻害薬(TNFi)で治療された患者は従来の合成DMARDsで治療された患者と比較し、重症感染症のリスクが高かった (adjusted HR 1.1-1.8)結核のリスクも高かった。帯状疱疹ヘルペス感染のリスクが上昇することも否定できなかった。TNFiで治療される患者において一般人口における悪性腫瘍、リンパ腫、非メラノーマ性の皮膚癌のリスクは上昇していなかった。しかし、メラノーマのリスクは少し上昇した(aHR 1.5)
・従来のDMARDsに関する研究からは新たな安全性の情報は見つからなかった。
 
CONCLUSIONS:
この系統的文献レビューの所見はRAの管理におけるsDMARDsbDMARDsの既知の安全性のパターンを確認した。