ループス心筋炎(LM)を経験し勉強中です。
<LMの最大の観察研究(n=24);Mayoclinicより>
3. A contemporary case series of lupus myocarditis.
Lupus. 2012 Nov;21(13):1378-84.
Methods
・米国Rochesterにある二つの病院を1999-2009年に受診し最終診断がLMの症例
Results
Demographic characteristics
・最初のデータベース634例のうち、607例を以下の理由で除外;冠動脈疾患、弁膜症、心筋症・先天性心疾患、非SLE例。
・27例が入院したが、3例は以下の理由で除外;1例は敗血症合併、上室性頻脈、ストレス負荷心筋症のため;1例は精査加療の前に退院したため;1例は正式な診断が初診の数年後についたため。
・結果として24例。おもに白人(82%)、女性(79%)。
・LM発症前に平均6.3年のSLEの病歴を有した。14例(58%)はLM発症の3年未満以内にLMを発症。7例(29%)はLM発症前に10年以上のSLEの病歴を有した。退院後の観察期間は平均9.2ヶ月。
Past medical history and immunosuppressive regimen
Clinical sign and symptoms
・最多は呼吸困難、胸痛、浮腫、発熱。もっともコモンナ身体所見は肺ラ音、頸静脈拡張、新たな心雑音、足背浮腫。1例(4%)が動機。9例(38%)がSLE発症時にLMを有した。
Laboratory
・最多の心電図所見は非特異的なST-T異常(79%)。63%が洞性頻脈;57%が胸水。9例(39%)が肺うっ血、8例(35%)が肺浸潤影。1例は胸部X線をとらなかった。
・1例を除く全例が最初にエコーを受けた。最多はLVEF<45%で78%。壁運動異常70%。最初のEF平均33.8%が平均7.2ヶ月で49.5%に。フォローのエコーを受けた16例のうち4例(25%)がLVEF減少が持続。壁運動スコアは最初1.79→フォローにて1.37に減少した。弁膜症のあった11例のうち9例(81%)が中等度から重症のMR;3例が中等度のAR、3例がTR(2例が重症、1例が中等症から重症)。
・6例がGd造影による心臓MRIを受けた。遅発性のGd造影効果を心筋のみに2例;心膜のみに2例;心筋+上皮に1例。これら5例のうち1例が貫壁性、1例がepicardial、1例が両方、2例がpericardial pattern。1例はLVEF30%、心筋運動スコア2.5だったが、造影効果はなかった。4ヶ月後のフォローの心エコーにおいてLVEFは60%に改善し、壁運動スコア1点。
Coronary angiography and noninvasive stress testing
冠動脈疾患のリスクのある16例のうち、12例が冠動脈造影を受け50%未満の内食う狭窄を認めた。2例はCTによる冠動脈造影を受け、冠動脈の動脈硬化を認めなかった。1例はドブタミン負荷のエコーを受け、1例がアデノシンsestamibiスキャンを受けたがともに虚血はなかった。
Biopsy
入院中4例(21%)が卯新の心筋生検を合併症なく行った。両側の心筋生検を剖検にて行った。2例の生検結果はループス心筋炎に矛盾しないリンパ球浸潤。このうち1例が剖検例。
Treatment
・最もコモンな免疫抑制療法は高用量ステロイド(88%)。9例が500-1000mgのmPSLを1-5日間受け、その後漸減;12例が40-80mgの静注または経口mPSLまたはその相当量を5-10日間投与され、ついで漸減された。
・6例がMMF (500mgを1日2回)、3例が月1回のCyclophosphamide(0.3-0.6 g/m2)を3-6ヶ月、3例がAZP (100mg)。1例が2週間毎のRituximabを4週間、1例が免疫グロブリン5日間を投与された。
<McGillからの3例報告+Literaturereview>
8. Acute lupus myocarditis: Clinical features and outcome.
Lupus. 2011;20(9):981-8.
Discussion(より抜粋)
・3例の症例報告と46例のLiteraturereview
・Population studyにおいてSLEの死亡は心筋炎の存在に関連した。
・死亡は46例中8例。ほとんどの場合心筋障害に起因しない。
ps;
ループス心筋炎①
ループス心筋炎③
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