Comparison of the clinical utility of tocilizumab and anti-TNF therapy in AA amyloidosis complicating rheumatic diseases.
Okuda Y, et al.
Mod Rheumatol. 2014 Jan;24(1):137-43.
OBJECTIVES:
・抗サイトカイン療法はリウマチ性疾患に合併するアミロイドAアミロイドーシスにおいて有用であることが報告されている。しかし、現在までにTNF阻害薬の有用性をIL-6阻害療法と直接比較した試験は存在しない。
・私たちの後ろ向き研究はトシリズマブ(TCZ)を抗TNF阻害療法と比較することである。
METHODS:
・私たちの病院で抗サイトカイン療法で治療された42例を対象とした。31例は単剤、10例は2剤、1例は3剤で治療された。患者はTCZ群(22例)、TNF阻害剤群(32例)に分けられた。
・主な比較するパラメーターは治療継続率、SAAのプロファイル、腎機能のプロファイル、臨床活動性指標(CDAI)。
RESULTS:
・5年間の継続率はTCZ群 90.4%、TNF阻害剤群34.3%(p = 0.0154, log-rank test)。SAAの中央値はTCZ群で治療開始時219.2 μg/mLから最終観察時 5.0 μg/mL、TNF阻害剤群で143.6から38.1 μg/mLに減少した。
・eGFRが改善した患者の割合はTCZ群で72.7%、TNF阻害剤群で34.4 % (p = 0.0062)。
CONCLUSIONS:
・これらの結果をもとに私たちはリウマチ性疾患に合併するAAアミロイドーシスの患者においてTCZはTNF阻害剤よりも臨床的に有効であると結論づけた。
Fig. 3
a 治療開始時と最終観察時におけるSAAの変化。SAAの値はTNF阻害剤よりもTCZ群で有意により低下した (p = 0.0194, Wilcoxon rank sum test).
b eGFRの変化。eGFRの改善はTCZ群で16例 (72.7 %)、TNF阻害剤群で11例 (34.4 %)で見られた。TCZの治療はより進行した腎不全のステージで開始されたが、有意な腎機能の改善が得られた (p = 0.0062, Wilcoxon rank sum test)。