リウマトロジストの目の前を何度となく通り過ぎて行ったであろう。。
(2010年)
●● 副腎不全を診断しよう! ●●
Uptodate17.3の”副腎不全におけるACTHに対する反応の評価”をまとめました。Critically illである場合、診断や治療に関するconsensusは得られていないということでした。以下はCritically illでない場合(=慢性副腎不全)に関する記載です。※はリウマトロジストのコメントです。mcg=μ(マイクロ)
※1mcgのコートロシンを用いる低用量ACTH試験も、標準高用量ACTH試験と同様有用とされていますが、250mcg製剤を1/250にする手間があります。低用量は生理的なACTH濃度に近くなり、わずかな副腎不全も検出することがあるようです。
●● 副腎不全を疑え! ●●
1)副腎クライシス(急性)
1.原発性副腎不全・・ショック、腹部圧痛、発熱
2.両側性副腎外傷、出血、梗塞・・低血圧~ショック(>90%)、腹痛・側腹部痛・腰痛・胸下部痛(86%)、発熱(66%)、食欲不振・吐気・嘔吐(47%)
3.下垂体卒中・・慢性(以下)に似るが、急性に起きることも。腫瘍の高速による下垂体卒中は強い頭痛、視野の異常
2)慢性原発性副腎不全(副腎↓下垂体↑)
コモンなのは慢性疲労(運動で悪化、安静で改善)、筋力低下、食欲不振、体重減少。
1.消化器症状;吐気、嘔吐、腹痛、下痢・便秘
2.低血圧;姿勢によるめまい、失神
4.低血糖;感染、発熱、アルコール摂取のない成人に起きることはまれ。小児には多い。
6.性機能不全
7.骨格筋症状・・筋肉痛・関節痛
8.耳介軟骨の石灰化
9.精神症状・・器質脳障害、記憶障害、混乱、せん妄、うつ、精神病
10.白斑
3)二次性(下垂体↓)・三次性副腎不全(視床下部↓)
慢性原発性と同様の症状であるが、色素沈着を欠く。脱水はなく、低血圧も目立たない。