リウマチ膠原病のQ&A

日常診療で出会ったギモンに取り組んでいきます!

バイオフリー寛解(Biologic-free remission)に関連する要因(ANSWER cohort)

Factors associated with the achievement of biological disease-modifying antirheumatic drug-free remission in rheumatoid arthritis: the ANSWER cohort study.

Hashimoto M, et al.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30075810/

 

Background: いくらかの患者ではbDMARDsの中止後の臨床的寛解が維持されうる(bDMARD-free remission (BFR))。どのbDMARDがBFRを達成するために有利なのか、あるいはどのような状況でBFRが考慮されされるのかは分かっていない。この研究の目的はclinical practiceでBFR達成に関連する要素を決定するために行われた。

 

Methods: 日本の多施設観察研究よりRA患者がエントリーされた。bDMARD中止時における臨床的寛解(DAS28-CRP<2.3)を達成したRA患者が登録された。持続的な疾患活動性と治療の変更がフォローされた。BFRは疾患活動性が寛解のカットオフ値を超えた場合やbDMARDsが再開された場合はBFRは失敗したとみなされた。

 

Results: 全体として181例のRA患者が登録された。bDMARD中止1年後BFRは21.5%の患者で維持された。BFRはTNFモノクローナル抗体(infliximab, adalimumab, and golimumab)の中止後により成功していた。ついでABT、それ以外のTNF阻害薬(ETNとCZP)、TCZ。多変量解析の後、>6ヶ月の持続する寛解、Boolean寛解、bDMARD中止時にステロイド使用なし、TNFモノクローナル抗体またはCTLA4-Igの使用がBFRに関連した独立した要素であった。

 

Conclusions: BFRはclinical practiceにおいてbDMARD中止後のRA患者の一部で達成可能である。TNFモノクローナル抗体、ABT、持続寛解、Boolean寛解ステロイド未使用がBFR達成のために有益であった。 

 

Fig. 1. 異なるタイプのbDMARDs中止後のbio-free remissionのKaplan-Meier生存曲線

 

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※mAbとはIFX, ADA, GLM;R/PとはTNF receptor=ETN、polyethylene glycol=CPZのこと

 

 

Fig. 2. Cox proportional hazards modelで補正された生存曲線。

 

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#補正後のKM曲線からはBFRにはTNFモノクローナル抗体、ABTがその他のバイオと比べ有利なようです。